世界ジュニアゴルフ選手権【2】 日本予選会のエントリーがスタート
4キロ痩せたT.ウッズが再びMVP候補1位に浮上した
タイガー・ウッズのもてるすべての才能の中でも、最も代え難いものは問題解決能力だ。8月26日、ワールドゴルフ・チャンピオンシップのNECインビテーショナル最終日はジム・フューリックとのサドンデス・プレイオフ。世界ランキングNo.1プレイヤーであるウッズは、激しいせめぎ合い、しのぎ合いの末に勝利をものにしたことによって、周囲の求めるいくつかの問いかけにまさしく答えをもたらした。疑問が残っているとすれば、タイガー・ウッズ流ダイエットが大流行する日は来るのかどうかということくらいである。ファイアストンCCでの三連覇を成し遂げたウッズ。次の問いには断固たる回答を示した。
*いわゆるスランプについて。
*マスターズ優勝、空前のメジャー四連勝達成後のゴルフへの集中力について。
*PGAツアーの今年の年間最優秀選手の最有力候補は誰なのかについて。
それらすべての疑問は、18番ホールで140ヤードのアプローチを60cmにつけたウエッジによって片が付いた。
「あんなふうにしのぎを削って競い合うのはほんとうに楽しいです」
近年のPGAツアーで最長の7ホールものサドンデス・プレイオフの末、粘るフューリックを文句なしのバーディで退けたウッズは優勝賞金100ドルを手にし、今年PGAツアーで5勝目、通算29勝目となった。
「感情的にも、集中力も、そして競い合う内容的にも、あれほどハイレベルになれることは、それほどないことです。私にとっては最高の域に達していましたね」
まだ25歳のウッズは20歳代での優勝回数がニクラスに並んで最多となった。6月にメモリアル・トーナメントで三連覇を達成して以降、トップテン入りできない試合が5試合続いたのはこれまでにない事態だったが、今回と併せて三連覇達成が一年のうちに2回というのは1920年代後半のジーン・サラゼン以来のことだ。ウッズはそれを世界ランキングでトップの20人のうち19人が顔をそろえる大会で達成している。ファイアストンCCサウスコースでの4日間のスコアは66-67-66-69の268打、12アンダー。3日目まで首位に立っていたライダーカップのチームメイト、ジム・フューリックから2打差で最終日を迎え、プレイオフに持ち込んでパーをとってしのぎ合う展開の末に勝ったのだった。
今週、ウッズは4キロほど体重を落としていた。メジャーでプロ入り後の成績では最も悪い29位タイに終わったPGAチャンピオンシップの前週、アトランタの猛暑の中で連日、午後のラウンドをこなし、今週になってからは食中毒にやられたのだった。
「ほんとうに痩せたいならうってつけのダイエット法ですよ」
公称81キロのウッズのアドバイスは意味ありげだが、この夏、優勝から遠ざかっていたことでウッズはゴルフファンの気を揉ませ、かたや年間最優秀選手賞に関してはフィル・ミケルソンを勇気づけていた。ミケルソンは今季2勝、3位以内に入ること10回、トップテンが13回。
「まったく誰が優っているかわかりません」
そう語るミケルソン。NECインビテーショナルでは36ホール時点までウッズに並んでいたが、3日目を終えた時点でルール違反のペナルティーを科せられて戦線からはずれてしまった。
「もっと優勝回数の多いプレイヤーがいますが、年間を通して誰がいいのかということになるとわかりません」
それに対してウッズは言う。
「彼はまちがいなくトップテン入りが多いですが、私もまあまあの成績を出しています。それに、まだ先がありますから。大きな試合も控えていますし、そのあたりで誰が勝つのかで決まってくるでしょう」
さらに彼は意外なことを付け加えた。
「メジャーに勝つチャンスは年に4回しかありません。そしてその4試合が自分のキャリアを決定づけるのです。私が今年、その一つを勝てたことはとても幸運だったと思います」
By Dave Shedloski(GW)