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【WORLD】ハリケーン「サンディ」襲来後のゴルフコース

Golf World(2012年11月5日号)texted by Bill Fields

ハリケーン「サンディ」に襲われた他地域同様、米国北東部の各コース管理者たちは、被害の度合いを算出し、まもなく復旧作業をスタートさせた。壊滅的な打撃を受けた多くの人々にとっては当初、ゴルフどころではない状態だった。命や家、仕事を奪われ、ゴルフの優先度は当然低かった。しかし、風がやみ、木々たちが倒れるのも止まり、大波も落ち着くと、他の地域同様、多くのゴルフコースも被害を受け、サンディの爪痕が長く影響を及ぼすことが明らかになっていった。

コネチカット州の南西にある1921年にセス・レイノールが設計したカントリー・クラブ・オブ・フェアフィールドのスティーブ・クレメンズGMは「私たちは依然としてショックを受けている」と話したのはサンディがニュージャージーに上陸した3日後、11月1日のこと。「芝のダメージの影響がどの程度かはまだ分かっていない。しかし高潮(塩水)による冠水で影響を受けたのは2ホールだけだった」。

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ニューヨークシティに近いバージニア州からマサチューセッツ州にインパクトを与えたサンディの大惨事は、ハリケーン「アイリーン」が同様の被害をニューイングランド地域にもたらしたわずか14カ月後のこと。クレメンズは「皮肉なことだが、今回は対処の方法は分かっている」と話す。そして、即時に、芝の痛みを防ぐため、塩水を中和させる石こうを投じ、被害を受けた場所を洗い流した。

気温が低いと海水によるダメージは最小限に抑えられる。「タイミングが大切になるでしょう」と言うのはUSGAのシニア農学者を務めるジム・スコルルスキー氏。「しかし、それは(気温が低い時なら)いつでも良いというわけではありません。長い時間にわたって浸水している場合、気温が低くてもそれは良くないのです」。

またサンディは、名門コース2つにも襲いかかった。ニューヨークのレイノール-チャールズ・バンクスがデザインしたフィッシャーズ・アイランド・クラブとウェスタリーにあるドナルド・ロス設計のミスカミカット・クラブは、甚大な洪水と建物被害を受けた。スコルルスキー氏は11月2日にミスカミカットを訪れた際、「重い瓦礫、土砂、沈泥、そしてボートが(6ホールの)フェアウェイとグリーンにあった」と被害を語る。

さらに、ロングアイランドのメイドストーン・クラブは、オーシャンサイドにある15番ティグラウンドの一部を喪失していた。また同地にあるコネチカットコース、マディソンCCは5フィートほど浸水し、これはアイリーンの時よりも30センチほど高かった。クラブのヘッドプロを務めるフランク・カルタ氏は当初「ひどいダメージを受けた。芝は休眠状態で、コース管理者も2、3週間では本当の被害は分からないと思う」としていた。

ニューヨーク州ロスリン・ハーバーにあるエンジニアーズCCのプロショップに倒れた1本の松の木、ニュージャージーのリッグウッドCCで倒れた数十本の木、そしてベスページ・ステート・パークの5コースで倒れた600本の木にしろ、多くのコースにとって問題はそういった木々だった。来年の「全米プロゴルフ選手権」の開催地となっているニューヨーク北部のオーク・ヒルCCでも同様のダメージがあったのだ。

また、2013年「ザ・バークレイズ」が開催されるニュージャージーシティにあるリバティ・ナショナルGCの10番には大型フェリーが打ちあげられ、そこでは冠水の影響で4ホールがプレー不可能となった。それでもトム・カイトを同コースを設計したボブ・カップは「私に言わせれば、リバティ・ナショナルはそこまでダメージを受けていない。すごく耐久性があるんだ」と語った。

とは言っても、ゴルファーと彼らがプレーするコースは、サンディが押し寄せる前よりも元気はないのだ。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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