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「ジ・インターナショナル」と「ザ・プレーヤーズ選手権」に観たドラマ

先週の米ツアー、ジ・インターナショナルで、リッチ・ビームがスティーブ・ラウリーとの死闘を制し、ツアー2勝目を挙げた。ビームは、勝利の瞬間に感極まって泣いてしまうほど苦しい戦いを強いられたのだが、それはラウリーが、ステーブルフォード方式というポイント制の戦い方を熟知しており、その利点を最大限に生かして終盤に劇的な猛追を見せたからだ。そういえば今年3月に、ラウリーばりの猛チャージで最後に逆転劇を演じた選手がいた。ザ・プレーヤーズ選手権の最終日に、残り3ホールでドラマチックな快進撃でスティーブン・エイムスを抜き去り、優勝を遂げたクレイグ・パークスだ。

ミラクルショットに苦しめられながら勝利したビームと、ミラクルショットに助けられ勝利したパークスは、まさに好対照だ。この2試合を振り返りながら、追う側と追われる側の心理を探ってみよう。

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* * *

ザ・プレーヤーズ選手権最終日、パークスは3ホールを残していた時点で、既にホールアウトしていた首位のスティーブン・エイムスとは1打差だった。そんな中、パークスは16番パー5で、グリーンエッジからチップインイーグルをやってのけた。

クレイグ・パークス
「昔からチップショットには自信があった。あのショットを打った時は、入ると信じていた」

この日、パークスは最後まで奇跡を起こし続けた。16番のイーグルで逆転し、1打差のリードを奪うと、さらに17番でも長いバーディパットを沈めたのだ。

クレイグ・パークス
「あのパットは沈めたかった。あれが入ったとき、最終18番ホールでは安全にパーセーブできれば大丈夫だと確信できた」

その18番は決して楽ではなかった。3打目をグリーン奥に外すピンチを迎えてしまった。しかし、グリーンエッジからウェッジを選択し、放ったチップショットがカップイン。見事パーをセーブし、プレーオフを願っていたスティーブン・エイムスの希望を打ち砕いた。

クレイグ・パークス
「18番の4打目も、打った瞬間に入ると思った。転がりを見ながら勝ったと確信した。実際にカップにボールが吸い込まれていった瞬間、本当に嬉しかったよ」

* * *

ジ・インターナショナル最終日、14番でティショットを池に入れてしまったラウリーは、この時点で首位と10ポイント差をつけられており、優勝争いから脱落するピンチを迎えていた。後がなかったラウリーは、イチかバチか賭けに出た。幸いボールは池の浅瀬に止まっていたので、ウォーターショットを試み、見事グリーンオンに成功。バーディを決めたのだ。次の15番では残り132ヤードからチップインイーグルを決め、残り3ホールで3ポイント差まで詰め寄った。

リッチ・ビーム
「5ホールを残していた時点で10ポイントもリードしていたのに、ラウリーが14番でバーディ、15番ではイーグルを取って、3ポイント差まで縮められた。しかし、自分が17番でイーグルで5ポイントを取り、ラウリーが16番でボギーを叩いて1ポイントの減点となった。これで9ポイント差になったので、安心し、最終ホールは手堅くパーを取りにいった」

しかし再びミラクルは起きた。17番パー5を迎えた時、9ポイント差をつけられていたラウリーだが、ここで奇跡のアルバトロスを達成し、、一気に8ポイントを獲得したのである。残り1ホールで1ポイント差に詰め寄ったのだ。

リッチ・ビーム
「18番でプレーしていた時に凄い歓声が聞こえてきたので、誰かがスーパープレーをしたのだろうと思っていたら、ラウリーがアルバトロスを決めて1ポイント差に詰め寄られた。必死に戦ってあれだけのリードを作ったのに、そんな奇跡が起こるなんて思いもしなかった。この試合形式だと何が起きてもおかしくない事を知った」

ビームは44ポイントを獲得し首位でホールアウトしたが、笑顔はひきつり、疲労困憊の様子。あとはラウリーの最終ホールを見届けるだけとなった。そのラウリーは、最終ホールで2打目をピタリと寄せ、2.5メートルのバーディチャンスを作った。あらゆる方角からラインを読み、完璧なタッチで打ったがこれを決められず、ビームに勝利を譲ってしまった。

リッチ・ビーム
「もし優勝できなくても、それは自分が負けたという事ではなく、相手が強かっただけの話。もしラウリーに逆転されていたら凄く悔しくて耐えられなかっただろうけど、自分のプレーは最高だったから、試合に負けたという気はしなかったと思う。優勝できて本当に良かった」

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