佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第五十七回】
マット・クーチャー「初優勝」までのデコボコ道
1998年の全米アマチュア・チャンピオンのマット・クーチャー。当時21歳のアマチュアとして「マスターズ」で21位、「全米オープン」で14位の成績を収め、全米にその名を知らしめた。そのクーチャーはどこからもプロ入りを進められ、数億ドルという規模のスポンサーの話まで出ていた。しかし、彼は大学に残り、卒業することを決意。プロ入りへの道を一度は断ったのだ。そしてその2年後、2000年に無事大学を卒業したクーチャーは改めてプロ入りを決意。
マット・クーチャー(2000年・夏)「テキサス・オープンで予選落ちしたんだ。その時に悔しくて翌週の試合にすぐ参戦しようと決めたんだ。自分の実力がどんなものなのか、それが知りたくてどうしてもPGAツアーにまで登り詰めたいとその時心に決めたんだ。」
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しかし元全米アマ・チャンピオンに手を差し伸べるものはいなかった。1年前の今頃、クーチャーはPGAツアーからはほど遠い状態にあった。自分で自分のキャディバッグを持ち、オーストラレイジアンツアーかた欧州ツアー、カナディアンツアーとありとあらゆる試合に参戦した。
マット・クーチャー(2001年・夏)「先週までメキシコで2試合して、来週はカナディアンツアーに出る。BUY.COMツアーにも出て、それからPGAツアーの招待枠を使って賞金稼ぎをするんだ。」
その努力は報われた。PGAツアーでの賞金稼ぎが功を奏し、たった11試合でPGAツアーのシード権獲得となる賞金をかき集めたのだ。
マット・クーチャー(優勝会見より)「自分の努力が報われるのは本当に嬉しいものです。努力した結果がこんなに早く出るとは思わなかったけど、でもいつかは手に入れたいと思っていた優勝だから本当に嬉しい。卒業してたったの2年、23歳で夢を手にすることができるなんて興奮しているよ。」
<PGAツアー:プロ初参戦から初優勝までの期間>
1位:タイガー・ウッズ=5試合(20歳)
2位:フィル・ミケルソン=14試合(22歳)
3位:マット・クーチャー=17試合(23歳)
4位:セルヒオ・ガルシア=33試合(21歳)
5位:ジャスティン・レナード=65試合(24歳)
6位:デビッド・デュバル=87試合(25歳)