感情と、自らのゲームをコントロールするタイガー・ウッズ
どっちが勝つ?ウッズvsエルス
出来レースとしか言いようがない。米ツアー『ビュイックインビテーショナル』ではタイガー・ウッズとフィル・ミケルソンが優勝争いを繰り広げた。ミケルソンの「タイガーは劣る道具を使わされている」発言でもめた直後の試合で、いきなりこの対決が実現しているのである。タイガーにとっては昨年12月以来の約2ヶ月ぶりの試合というのに・・・。こんなシナリオは、優秀な広告代理店でも描くことはできないだろう。
2月末に行われるWGCマッチプレーでは、タイガー・ウッズにとって唯一の脅威と言われるアーニー・エルスが別ブロックであるため、順当に勝ち進めばこの両者の1対1の対決を堪能することができる。しかしファンとしては、他にも楽しむバリエーション(因縁の対決etc.)を用意してもらいたいものだ。
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冗談はさておき、ウッズとエルスの対決が見られるのは、欧州ツアー『ドバイデザートクラシック』か、翌週の米ツアー『ベイヒルインビテーショナル』のいずれかだ。現在、獲得賞金額はエルスが約100万ドル上回っているが、「いずれ追いつける」とウッズは読んでいる。
タイガー・ウッズ
「エルスも私も、米ツアーに出場するのは16~20試合。同じ試合数なら追いつける」
しかしウッズは「もしエルスが私より多く、例えば30試合くらい出場することになれば話は別だ」と、エルスの快進撃を侮っていない。さらに「エルスの飛距離が伸びたと話題になっているが、それよりも3メートル以内のパットを決める技術が素晴らしい。勝つために重要なのはパットであり、エルスは優れている」と警戒する。
米国とイラクが戦争していなければ、ウッズ、エルスともにドバイに出場する予定だ。昨年優勝のエルスは同大会で2勝しており、ウッズは2001年に2位フィニッシュしている。
また『ベイヒル』では4連覇を目指すウッズに対し、エルスは14位タイ、67位、9位フィニッシュと遅れをとっている。いやいや、2人が顔を合わせるのは米ツアー『ザ・プレーヤーズ選手権』までお預けになるかもしれない。過去3年間の成績はウッズが14位タイ-優勝-2位であるのに対し、エルスは44位タイ-予選落ち-20位タイとなっている。
何はともあれ、この3試合での結果がマスターズの話題をさらに盛り上げる要素になる。
ところで『ビュイック』では、球を左右に曲げてブランクを感じさせるプレーを露呈したウッズ。予選ラウンドを一緒に回ったフィル・タタランギ曰く「ブランク分だけ感覚が鈍っている。でもウッズと我々では次元が違う」。確かにショットは左右にブレていたが、技と力で苦境を切り抜けるのはウッズならでは。アーロン・オーバーホルザーも「ティショットがラフに行くとパーを取ることができなかった。ウッズは曲げまくってるのに2日間で8アンダー。ドライバーの調子が良くなれば、彼を打ち負かすことは困難だ。10センチ以上あるラフから寄せるのは無理。ウッズはそれが出来るのだからまるで野獣だ。すごすぎる」と白旗を挙げた。ウッズ自身は「大切なのはタイミングと自信を持つこと。OBに行ったら、それはそれで仕方の無いことと考え『とりあえず打っちゃえ』と開き直ったら調子が出てきた」という。またリハビリ中にもショートゲームの練習は欠かさず行ってきたというが、その成果は2日目の最終ホールで30メートルのチップショットを沈めてイーグルという結果に表れた。
エルス曰く「何をやっても成功する自信をもてる時がある」というが、ウッズもそれと同じ感覚なのだろうか。
とにかく、この2人の対戦は火花が散ること間違いなし。
Golfweek