「感謝しかない」石川遼の新体制への期待 ワンストップサービスとコンテンツ強化
投資ファンド・日本産業推進機構グループ(NSSK)の出資による国内男子ツアーの新体制を石川遼が歓迎した。日本ゴルフツアー機構(JGTO)は26日、同社との連携による新営利団体・株式会社ジャパン・プロゴルフツアー(J-Tour)の設立を発表。日本男子ゴルフの再興に期待がかかる。
石川はこれまで通算20勝を挙げた日本ツアーと、ひとりの選手に留まらない関わりを続けてきた。2010年に18歳でジャパンゴルフツアー選手会の副会長に就任。PGAツアーから復帰後の18年には26歳で会長を務め、米下部コーンフェリーツアーに主軸を移した今季もJGTOの理事の一員となっている。
長期に渡りツアー改革に意欲的で、試行錯誤を重ねてきた。しかし、試合数の減少は歯止めがかからず、今季は前年から3試合少ない22大会。「日本の男子ゴルフをファンの人に知ってもらう機会を増やすために、僕たち選手も『もっとこうしたら』というアイデアは浮かんで、何年も話し合ってきた。でも、『どうやるか』というところまで来ると、実際には難しいというのを目の前で見てきた」と、本業ではない分野での力不足を感じていた。5年から10年で150億円以上という金銭はもとより、「エネルギーを使うことを進めていただけることに感謝しかない」と事業再生のプロのサポートを喜ぶ。
ツアーにいまある課題として、石川はファンを定着されられないシステムの問題点を指摘した。JGTOは大多数の試合に主管という立場で関わり、プロモーション等の運用面を各大会のタイトルスポンサー(主催者)の裁量に任せる態度をとってきた。
そのため、年間スケジュールを横断するような施策が少なく、あらゆるプロモーションや来場者サービスがガラパゴス化した現状がある。「例えば、チケットを買う方法、試合(中継)を観る方法がバラバラで、(観戦にたどり着く)コレだという“導線”がない。スポーツを見る上で結構、大事な部分だと思う」とファンがワンストップで複数の情報を得られる体制づくりを希望。新営利団体が2027年以降の実施を目指すという配信モデル等に、観る人を継続的に惹きつける可能性を見出す。
そもそも投資はリターンを見込んだものであり、様々な施策でツアー、所属するプロの価値が向上しなければ、いよいよ先がない。石川は「コンテンツ力のアップ」をそのカギに挙げ、長らくメディアに取り上げられてきた立場から、選手それぞれにスポットライトを当てたコンテンツの量的、質的な向上を訴えた。
「選手一人ひとりにストーリーがある。僕の場合はたくさん報じてもらっていて、毎試合映像があったり、コメントがあったりした。例えば、4試合連続で予選落ちしても、それが後々のストーリーになった。でも、それ(ストーリー)は全員にあるんです。今はとにかく、ファンの皆さんに向けた(多くの選手の)情報が少ないように思う」
新体制はコンテンツ価値向上に関する40にも及ぶ施策案を列挙し、将来的にスター偏重を回避する露出配分のルールの策定、導入を目指す発想もある。石川は新体制での多くのスターの誕生を願った。(ジョージア州サバンナ/桂川洋一)