松山英樹が首位タイでメダル争いの週末へ

◇パリ五輪 男子 2日目（2日）◇ル・ゴルフ・ナショナル（フランス）◇7174yd（パー71）

後続に2打のリードをつけて迎えた松山英樹の最終18番は“アクシデント”が続いた。ティショットは、スイング中にギャラリーが持つカメラのシャッター音が鳴り大きく右へ。背の高い草が生い茂るラフへ飛び込み、ボランティアを含めて10人ほどが探してやっと見つかるほどだった。

18番は大捜索の末にボールが見つかった

何とか前方のラフへ運んでも、残り115ydほどの3打目は浮島グリーンの中でも池が近い右手前ピン。手前も奥も使えない状況で広い左サイドへカットしにいったボールはアゲンストの風にたたき落とされ、水しぶきを上げた。

「最後、（1打目の）ボールがよく見つかってくれたのを生かしきれなかった」と悔しさをにじませたが、ドロップして打った5打目も上から4m弱を残していた大ピンチ。このダブルボギーパットをねじ込んだことで通算11アンダー首位タイのフィニッシュにつながった。「それは1打でも良かった方がいい。いい位置で終われた」。少しだけうなずいたように、“最悪”を回避できたのも事実だ。

日本の期待を背負って戦う

単独首位で初日を滑り出し、この日も序盤3ホールで2バーディを先行。ただ、ロングパットが大きくショートした4番で今週初のボギーを喫すると、やはりバーディ直後の7番も右ラフからのセカンドが左奥にこぼれてスコアを落とした。

流れに乗り切れない展開で光ったのは我慢。12番も、深い右ラフからのセカンドが100ydも飛ばせず、70ydほどのウェッジショットを上からスピンバックで絡めるナイスパーセーブ。奥のカラーからバーディトライがショートした13番も、2m弱のパーパットをしのいだ。

前回の金メダリスト、当地で優勝経験のある2人と並ぶ

3年前の東京五輪で最終日最終組を一緒に回ったザンダー・シャウフェレ（米国）、このコース開催の欧州ツアーで優勝経験があるトミー・フリートウッド（英国）と首位に並んで迎える週末。今季メジャー2勝をマークしている世界ランク2位のシャウフェレとの勝負は開幕前から十分に想定していた。「風が吹けばタフだと思いますし、最後みたいなことが起きると思うんで、よりいいものをあしたに向けて準備しないといけない」。表彰台の真ん中をかけた残り36ホールに視線を移した。（フランス・ギュイヤンクール／亀山泰宏）