ヘッドの上部の矢印が目立つ

◇米国男子◇AT＆Tペブルビーチプロアマ 事前情報◇ペブルビーチGL（6972yd／パー72）、スパイグラスヒルGC（7041yd／パー72）

2024年もゴルフメーカー各社から新しい製品が次々と発表されているが、PGAツアーの現場で発見した最新ギアの情報をお届けしたい。タイトリストのツアーバンの中で見つけたのが、スコッティキャメロンの「ファントム」だ。もう耳の早い読者諸兄は、海外からの情報を仕入れてその存在を知っている方も多いだろう。

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22年にも定番の角型（X5、X7など）や羽が生えたようなデザインのヘッド（X11）を出していたが、各種ヘッドが今季リニューアルする模様。今回ツアーバンで見つけたのは、そのうちのプロトタイプ「T-5」「T-5.5」「T-7」「T-7.5」の4機種。5と5.5はヘッド後部が角ばった羽のような形で、7と7.5はヘッド後部が尖っている。そして5と7がシングルベンドネック、5.5と7.5がスラントネックになっている。

4本のヘッドを見つけた。左上から時計回りにT-7、T-7.5、T-5.5、T-5

前作からどこがどう変わったのだろうか。「全体的に形が小ぶりになったけど、今回の一番の変化はアライメントだよ」とは、タイトリストのパター担当ドゥルー・ページ氏。「矢印をイメージしたデザインで、アライメントを簡単に取れるようにしたんだ」といってヘッドをみせて説明してくれた。クラウンに大ぶりな矢印マークがプリントされていたが、そのマークだけでなく、ヘッドの形状としても「矢印」を連想できるようにしているとか。

確かに言われてみると、クラウンのトウヒール側のそれぞれに切り込みのようなデザインが施されていて、それが矢印の羽に見える。「スコッティ（・キャメロン氏）は目標に対してしっかりセットアップできるように意識してヘッドのデザインを考えたんだ。その結果、矢印という発想になったんだよ。いいパターっていうのは凄く構えやすいものなんだ」。ちなみにその切り込みの線の延長上がヘッドのセンターにくる角度に設計してあるという。それもアライメントが取りやすい秘密になっているようだ。

左がT-7.5、右がT-5.5

試しに構えて見ると、「T-7」などはヘッド後部に向かってラインが真っすぐな上に、先端が尖っていることもあり、太い矢印を連想出来て非常にターゲットに合わせやすかった。プロトタイプに関しては、クラウンに入れるマークは矢印の大きさを変えたり、ドットにしたりといろいろとカスタムできるようで、それもアライメントを取りやすいようにチョイスできるそうだ。

さらに、新ファントムはフェースのミーリングも変わった。「デュアルミーリング」という呼び名で、ミーリングがダブルに施されている。「ツアープレーヤーからの長年のフィードバックを受けて、打感と音にこだわってスコッティが改良を加えたんだ。プロの反応はすごくいいよ」と打感が向上、少し柔らかく感じる選手が多いようだ。

デュアルミーリングが施されている

すでに、この新ファントムにスイッチした選手は何人かいて、チェズ・リービー（T-7.5）、ダグ・ギーム（T-7）、ザック・ブレア（モデル不明）は試合で投入済み。「ファントム」といえば、ジャスティン・トーマスのイメージが強いが、彼はザ・アメリカンエキスプレスの週に「T-5.5」を試したものの、まだ使用に至っていない。「形やアライメント、振り心地はすごく気に入ったんだけど、ほんのちょっと『インパクトの音が高い』となった。彼は静かな音のパターが好きだから、ミーリングを加工してまた試してもらうよ」

この4本以外のモデルも次週のフェニックスオープンでお披露目されるとのこと。どんなモデルがラインアップされてくるのか、期待を込めて待ちたい。（編集部・服部謙二郎）