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松山英樹「ドリル進化論」 ボール挟みに“マン振り”も

◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ◇アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉)◇7079yd(パー70)

“練習の虫”が帰ってきた。松山英樹といえば、ラウンド後の練習でボールを打ち込む姿はお馴染みだったが、今シーズンはケガによる影響で思うように練習できず、長く打ち込めないことも多かった。しかし、今週の松山はかつての練習量が戻っており、しっかりボールを打ち込めている様子もうかがえる。球数を多く打つことでリズムを作ってきた松山にとって、練習ができる体の状態に戻ってきたことは非常に良いニュースだ。

試合前の練習日(火曜)、習志野CCの奥の打撃レンジの定位置に陣取ると、松山は何やらバッグから紫色のゴムボールを取り出した。比較的小さめなそのボールは首から下げられるようにカスタムされていて、松山はちょうどヒジの高さで挟みながらボールを打っていた。ひとしきりアイアンを打った後、続いてグラファイトデザイン製の柔らかいシャフトが挿さったドライバーで打つ。

その後ボールを外し、今度は右わきにグローブを挟んで再び打ち始めた。打った後に、撮ってもらったスイング動画で体の動きをチェック。今年は黒宮幹仁コーチとともにスイング作りに励んできたが、どれもその一環で始まったドリルなのだろう。

それにしても松山が「ボール挟み」とはけっこう新鮮に見えるが(同じ系統では両腕にくっつけるバンドの装着は過去にあった)、いったいどんな意図でやっているのか。

あくまで推測ではあるが、今シーズン取り組んできた「質のいいドロー」を打つために必要な動きであることは間違いないだろう。ボールを挟んでいると手先でクラブを操作できず、体の回転や下半身の動きでボールをつかまえるように矯正できる。ボールを挟んだ状態で長いクラブを打つのはただでさえ難しいが、さらに柔らかいシャフトが装着されたドライバーで打っていたのは、かなり高レベルな練習だ。

また、右わきにグローブを挟むのは、体の近いところに腕を下ろしつつクラブが寝ないようにするため。質のいいドローには「右わきのほどよい締まり」が重要なのだろう。

そして水曜日、練習の最後に行っていたのが、“マン振り”でスピードを上げて打つドリルだ。まさに「リミッターを外す」動きで、歯を食いしばって限界までドライバーを振りちぎる。ドラコン選手のようにタイミングをはかってクラブを上げ、体の捻転を使って大きなスイングアークを作る。スピードが速すぎて、打った後はクラブが大きくリバウンドし、フィニッシュが取れずにバランスを崩してよろけるほど。

トラックマンのヘッドスピード、ボールスピードの数値とにらめっこし、「まだ足りない」とばかりに納得いく結果が出るまで振り続けた。

新しいスイングを模索する中で、シーズン中は「球が飛ばない」とボヤいていたが、その足りない部分を補う練習だと推測できる。具体的な数字は分からないが、振るたびにスピードが上がっているようだった。それにしても、ここまで振れるようになったのは、よほど体の状態が良いのだろう。

米国男子ツアーのプレーオフ最終戦「ツアー選手権」への10年連続出場は逃したシーズンではあったが、これだけ楽しそうにボールを打ち続ける松山を見ていると、来シーズンに向けての期待が膨らんだ。(千葉県印西市/服部謙二郎)

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