「全米プロゴルフ選手権」初日スコア
2023年 全米プロゴルフ選手権
期間:05/18〜05/21 場所:オークヒルCC(ニューヨーク州)
「どこの国でも身長のことを…」比嘉一貴はロケットスタートから終盤後退
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(18日)◇オークヒルCC(ニューヨーク州)◇7394yd(パー70)
「そう、甘くはなかった」。メジャーは決して悪くない2オーバー発進にも、悔しさがにじむ。比嘉一貴は初日前半、確かに大会の主役だった。前半14番までに4アンダー。その貯金を終盤に吐き出して、ため息をついた。
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未明に気温が氷点下まで落ち込み、コースが霜に覆われた影響で全体の開始が1時間50分遅れた。会場への道すがら、知らせを受けた比嘉は10番スタートの第1組で午前9時前にティオフ。「(早朝は)この寒さだったので、ラッキーだった」と穏やかな風、ソフトなグリーンにも恵まれて、11番(パー3)から4連続バーディを決めた。
12番ではフチで止まったかに思われた10mのパットが、次の瞬間カップに消えて大歓声。 1Wショットを左ラフに入れた17番でボギーを叩いてもリーダーボードの最上段には「HIGA」の名前が載り続けた。
好発進ムードは「自分の中で警戒していた」ホールから小さくなった。3アンダーのまま迎えた後半6番、第1打を大きく左へ。2打目はピン方向を狙えず、深いラフと奥に見える小川への警戒心から、フェアウェイに出すまでに2打かかった。4オン2パットでダブルボギーにすると、7番からパーオン失敗を続けて3連続ボギー。「72」で終えた。
上がり4ホールで5ストローク落とすフィニッシュに「良い流れ、良いリズムでやっていたのが残念な終わり方」とガッカリ。「風もコロコロ変わって、読みにくい部分もあった。練習ラウンドから自分の中では良いショットが続いているが、スタートが良かった分、もう少しガマンできたら、あしたは楽にプレーできたんじゃないかなと…」
突然崩れたのは、緊張や重圧からではないという。キャリアで3回目のメジャーも地に足をつけて回れた。早い時間のロケットスタートで途中から大会の中継カメラが帯同。「どの国の放送でも身長のこと(158cm)を言われるのかな、どんな感じで放送されるのかな、とキャディさんと話しながら楽しくやっていました。(12番で)一回止まったボールが入って、『きょうのハイライトを頂いたかな』と思いましたけど」と笑顔も少なくなかった。
「少しもったいない気もしますけど、やっちゃったことはしょうがない」。2オーバーは最初の目標である予選通過(70位タイまで)は十分に可能なポジション。「良いスタートを切れたところではイメージよく回れた部分もあった。それは良い収穫」と手応えもある。(ニューヨーク州ロチェスター/桂川洋一)