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中島啓太が拳を握ったアプローチ トップ10は惜しくも逃す

◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 最終日(16日)◇アコーディア・ゴルフ習志野CC (千葉県)◇7079yd(パー70)

最終18番(パー5)、決めればトップ10入りを引き寄せるバーディパットはわずかにカップをそれた。中島啓太は「もちろん、それもリーダーボードを見ながら考えていました。最後はパッティングで勝負したかったんですけど、16も18も決めきれなかったのは悔しいです」と言った。

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6打差14位から出ると、上位争いに加わる雰囲気たっぷりのショットを連発した。ピンに向かって真っすぐ飛ばした最難関3番(パー3)で1.5mのチャンスを逃しても、505ydと長いパー4の4番でピタリと絡めてバーディを先行。6番(パー5)も獲って2桁アンダーに乗せた。

1Wショットを大きく右に曲げた9番で唯一のボギー。それでも「バックナインは本当にアドレナリンも出ながら、興奮がある中でプレーできた。優勝争いをしていなくても、いい経験ができた」と振り返る。食らいつくために1打も落とせない状況で光ったのはディフェンス力だ。左ラフに入れた11番は220ydほど残したセカンドでグリーンをとらえて2パットのパー。さらに13番(パー3)では珠玉のアプローチを見せた。

グリーン右サイドにこぼれたボールは、刈り込まれたエリアに止まった。「一番外しちゃいけないところ。ある程度ボギーは覚悟していた」。想定したより良かったとはいえ、少し左足下がりのライ。ロフト60度のウェッジでフェースをしっかり開き、スピードを落とすことなくボールを拾った。土手を越えつつ、スピンでピン手前に止める完ぺきな寄せからパーセーブ。「自分の成長しているところだと思います」と拳を握った。

転向3戦目、プロとしては初めてのPGAツアーで、久常涼と日本勢最上位に並ぶフィニッシュに「今の自分の力は出せたと思う。でも、やっぱり悔しい気持ちの方が強い」。4人が並ぶ12位タイで22万2310ドル(約3300万円)を獲得したことにも「プロもアマも、自分の中ではまだ関係なくて、とにかく試合で勝ちたいという気持ちだけでプレーしている。この気持ちはすごく大事だと思うので、忘れずに継続していきたい」と言い切る。目線は高く、それでいて謙虚に。22歳のキャリアは始まったばかりだ。(千葉県印西市/亀山泰宏)

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