「全英オープン」 最終成績
2022年 全英オープン
期間:07/14〜07/17 場所:セントアンドリュース・オールドコース
初メジャーが世界飛躍のきっかけになるか 桂川有人の “聖地巡礼”1週間
◇メジャー第4戦◇全英オープン 最終日(17日)◇セントアンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7297yd(パー72)
メジャー初出場で日本勢最高の47位に入った桂川有人。ゴルフの聖地、セントアンドリュースで過ごした1週間はオンもオフも濃密だったようだ。
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予選ラウンドを「71」「68」のアンダーパーで回り、海からと陸から吹く風に惑わされた3日目こそ「75」とスコアを落としたが、最終日は「69」。通算5アンダーでは物足りなかったようで「限界じゃないというのがある。もっと上に全然いけるんじゃないかなと思った」ともう少し自分に期待していたという。
2015年以来7年ぶりに全英の舞台となったセントアンドリュース。「傾斜が強いというか、うねうねしているところでも、こちらの選手は入れてくる。すごいなと思った。そこらへんはまだまだかなと感じた」と言う。
150回を記念する大会は「日本を代表してきているような感じ」で戦った。そう明かしたのは決勝ラウンド進出を決めた2日目のことだ。日本メディアの取材後にシンガポールのゴルフジャーナリストの取材も受けてこうも話した。「いつも松山(英樹)さんだけ(予選突破)という風にならないように。チームジャパンの気持ちでその中の一人として自分も頑張らないといけないと思った」
ナショナルチームで過ごした経験もそんな考えの背景にあるのかもしれない。今大会はそのナショナルチームのサポートも受けた。地元キャディはコーチのガレス・ジョーンズ氏の紹介。期間中は、アマチュアで出場した中島啓太に帯同したナショナルチームの宿舎で数度、食事をともにした。
一方で、つまびらかにする自分の生活にはゴルフの話が出てこない。毎日10時間の睡眠をとっていたといい、好きなプロレスよりネットフリックスで見始めたアニメ『スプリガン』にはまっていることを楽しそうに話し、大会2日目の夜となんと3日目の朝にも見て、配信されている6話分が終わってしまったのだとか。
初日から3日連続で同組になったアブラム・アンセルには、メキシコのプロレス「ルチャリブレ」のことを話しかけた。中学卒業後にフィリピンにゴルフ留学した際の国際経験も生きているのだろう。何事にも物おじしない姿は、日本にとどまらず、世界に羽ばたく潜在能力を感じさせる。
「海外も挑戦できるのであればどんどん挑戦していきたいという気持ちはある」。今大会後はスコットランドからアメリカへ飛び、米ツアー「ロケットモーゲージクラシック」(28~31日/ミシガン州デトロイトGC)のマンデートーナメントの予選に出場予定。「落ちたら(米下部の)コーンフェリーがどういうツアーなのか、どういうコースなのかとか下見できたら」と米挑戦を視野に入れている。(スコットランド・セントアンドリュース/清野邦彦)