2021年「全米オープン」リーダーボード
2021年 全米オープン
期間:06/17〜06/20 場所:トーリーパインズGC(カリフォルニア州)
約2カ月の戦線離脱 マシュー・ウルフ「少し時間が必要だった」
◇メジャー第5戦◇全米オープン 3日目(19日)◇トーリーパインズGCサウスC(カリフォルニア州)◇7652yd(パー71)
大会3日目を終えて首位と3打差6位につけるマシュー・ウルフ。昨年大会(9月開催)でブライソン・デシャンボーに敗れて2位となったが、それから現在に至るまでは波乱万丈の道のりだった。
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今年1月の「ファーマーズインシュランスオープン」では初日に「78」をたたいて途中棄権。2月末の「WGCワークデイ選手権」も初日「83」のあとに棄権をし、4月の「マスターズ」では2日間で11オーバーという予選落ちのスコアだったが、過少申告により失格となってしまう。2週間後の「チューリッヒクラシック」で予選落ちとなると、それからしばらくツアーを離れ、今大会が約2カ月ぶりの復帰戦となっている。
2019年6月にプロ転向し、同年にツアー4戦目で初優勝。フル参戦2シーズン目の22歳は「完璧であろうとして、一生懸命になり過ぎた」と、その理由を明かした。「自分自身にプレッシャーをかけ過ぎていたと思う。しばらくツアーを離れるという決断は、僕のようなキャリア1、2年目の新人にとっては難しい決断だったし、離れたくもなかった。それに、そうできるとも思わなかった。だけど、あまりに悪い成績が続いたので、少し時間が必要だと思ったんだ」
女子テニスの大坂なおみを発端として、アスリートのメンタルヘルスがクローズアップされている現在。一般人よりも多くのストレスや緊張にさらされるプロアスリートの一人として、ウルフも同様の問題に自らのやり方で対処している。
「メンタルヘルスはとても大切で、たとえ個人的な問題であろうと、良いプレーができないとか、楽しめないとか、家族のことやなんであろうと、人生において自分がハッピーでいることはとても重要なことなんだ。常に良いプレーをしていなくちゃいけないっていうことはなく、もちろん、そうありたいし、いつもファンを喜ばせたいと思っているけど、ツアーを離れていればいるほど、もっと自分を楽しんで、幸せでいることが大切だって分かってきたんだ」
そんな中、首位と3打差で迎える「全米オープン」最終日。ウルフは「幸せな気分で楽しみ、ポジティブでいること」を戦略に掲げている。
「今日も何回も先のことを考えて、イライラしてしまうことがあったけど、特にこの全米オープンは他のどの試合よりも、72ホール目の最終パットが決まるまで、優勝者は分からないんだってキャディと会話を続けてきた。自分は今、良い位置にいる」
この日の「73」はもう過去のこと。最終日の18ホールに再び新鮮な気持ちで挑んでいく。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/今岡涼太)