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2021年 AT&Tバイロン・ネルソン
期間:05/13〜05/16 場所:TPCクレイグランチ(テキサス州)

小平智 飛ばし屋チャンプと同組で今季ベストタイスコア

◇米国男子◇AT&Tバイロン・ネルソン 3日目(15日)◇TPCクレイグランチ (テキサス州)◇7468yd(パー72)

「ドライバーで70ydくらい置いて行かれるかも…」。小平智は第3ラウンドの組み合わせを見て、そう思わざるを得なかった。ティイングエリアで向き合ったのは世界屈指の飛ばし屋、キャメロン・チャンプ。過去のPGAツアーでも一緒に回った経験があるとはいえ、飛距離で太刀打ちできるはずがない。

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そして、ゴルフが“飛ばすだけ”の競技でもないことも分かっていた。ショットが左右に曲がり、前半からフラストレーションに満ちた相手を横目に、小平は自分のプレーに徹した。5番(パー5)のバーディで、3番で先行したボギーを“帳消し”にし、6番でビッグプレーを呼び込んだ。フェアウェイから30ydあまりの2打目をロフト60度のウェッジでカップに放り込み、イーグルを奪った。

ロングドライブを見せつけられても、「もう違う競技のよう。(自分も)ギャラリーのようになる感じで楽しかった」と黙々とスコアメークした。途中、「アプローチのタッチがつかめない」と感じ、後半は寄せで使うウェッジを56度にスイッチ。3連続バーディを挟む格好となった13番、17番はいずれもグリーン手前から1m以内に寄せて、パーを拾った。

「トーリーパインズ(ファーマーズインシュランスオープン)で回ったときは70、80yd置いて行かれたが、(きょうは)あまりそういうホールはなく、自分の成長も感じられた」と1Wへの信頼度はさらにアップ。最終18番(パー5)ではそれが意外な形で表現された。

左ラフから残り256yd、2打目のポジションは強い向かい風が吹き、3Wではグリーン手前の小川に入る危険性があった。「(手で)置いたんじゃないかというくらい球が浮いていた」というライを見て、第1打に続き1Wを強振。2オンに成功してバーディで締めくくった。

「71」だったチャンプに対して、小平は1イーグル5バーディ、1ボギー「66」。今季4回目となるシーズンベストスコアをマークし、前日の53位から通算12アンダー25位に浮上した。悪天候予報の最終日は今季最高の前週「ウェルズファーゴ選手権」(11位)以上の成績も望める位置。「なんとか上位に行けるようなところまで来られた。あしたも頑張って落ち着いて回りたい」と自信を深めた。(テキサス州マッキニー/桂川洋一)

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