「マスターズ」2日目スコア
2020年 マスターズ
期間:11/12〜11/15 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
しっくりこない1Wなら「なくていい」 歴代覇者ウィレットが“割り切り”で急浮上
◇海外メジャー◇マスターズ 2日目(13日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)7475yd(パー72)
ダニー・ウィレット(イングランド)が、あの日見せた爆発力を再現するかのように上位に絡んできた。第2ラウンドを1イーグル6バーディ、1ダブルボギーの「66」で駆け抜け、暫定首位と2打差の通算7アンダー7位に浮上。ただ、鮮やかなプレーの舞台裏はドタバタだった。
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日没サスペンデッドで持ち越した第1ラウンド17番で、1Wのフェースが割れてしまった。「スペアのヘッドも持っているんだけど、しっくり来てなくてね。(なくてもいいと)第2ラウンドのバッグにも入れなかったよ」。1W抜きで戦う覚悟を決めてスタートの10番に立ったものの、いきなりティショットを左の林に打ち込んでダブルボギーをたたいた。
13番(パー5)から反撃を開始。ピンそば1.8mに2オンすると、イーグルパットはカップのフチを1周して底を鳴らした。14、15番も連続バーディを奪うなど、勢いのまま6バーディを積み重ねた。
「みんなが340yd飛ばすようなところで、僕は3Wを打つなんてナイスだよね」と苦笑い。フェアウェイキープ率57%と1Wを打たなくてもティショットの安定感はいまひとつながら、右の林に曲げた後半7番で4mを沈めてパーセーブするなど要所での粘りもスコアを支えた。
「この最初の2日間で、あの年の日曜日と同じピン位置も結構多かったね」。2016年大会最終日、後続に5打差をつけてサンデーバックナインに入ったジョーダン・スピースが大失速。ボギーなしの「67」をマークしてホールアウトしていた伏兵が、ビッグタイトルをさらった。
その後はケガもあって低迷。最高9位まで上がった世界ランキングは2018年5月に462位まで下がった。「マスターズ」を勝った2016年には、欧米対抗戦「ライダーカップ」を前にゴルフライターでもある兄・ピーターさんが米国のギャラリーをからかうような内容をSNSに投稿。アウェーのギャラリーから大ブーイングを浴びせられたこともあった。
初日「77」をたたいた前週「ヒューストンオープン」は手首の痛みで途中棄権したが、大舞台で再び優勝争いの好機が到来。「(予備を投入できるか)ちょっと1Wを調整してみようと思う」。浮き沈みを味わってきたかつてのマスターズチャンピオンは、練習場へ急いだ。