「56分の23」は40年間で最低 圧勝デシャンボーが覆した常識
2020年 全米オープン
期間:09/17〜09/20 場所:ウイングドフットGC(ニューヨーク州)
「1人だけ小さなゴルフ場」「見ていて感動」デシャンボーVの衝撃
◇メジャー第1戦◇全米オープン 最終日(20日)◇ウィングドフットGC(ニューヨーク州)◇7477yd(パー70)
ロリー・マキロイ(北アイルランド)は開幕前に「350yd飛ばしてラフに入れるくらいなら(刻んででも)フェアウェイから打ちたい」と話していた。これぞ「全米オープン」という深いラフからのショットを硬いグリーンにピンポイントで止めることは、まず不可能。マキロイのプランが“王道”のはずだった。
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しかし、ブライソン・デシャンボーには当てはまらなかった。1Wにこだわって飛距離のアドバンテージを前面に押し出し、ラフからになろうが、より短い番手でピンを攻める。パー3を除く56ホールでフェアウェイキープは23ホールにとどまった。マキロイは「(普通なら)ノーチャンスだよ。全米オープンのチャンピオンがやることとは真逆なんだ。でも、彼はそうやって勝ってみせたんだ」と苦笑交じりに言った。
優勝を争ったライバルたちも、一様に舌を巻いた。デシャンボーがプレーした最終組の1組前を松山英樹とともにプレーしたルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)は3位ながら8打差をつけられ、「彼だけの小さなゴルフ場でプレーしているようだ」と表現。
通算4オーバー5位のザンダー・シャウフェレは「誰もがここでフェアウェイに打つ重要性を話していた。ブライソンはそのホールの正しいサイドに打つ。そして遠くまで飛ばすんだ。ラフからのショットでも6Iの代わりにウェッジを持てるようにね。彼のゴルフは新しい方向に向かっている。信じられないプレーをしている」と称賛した。
「見ていて感動した」と話したのは通算3オーバー4位のハリス・イングリッシュ。「今までに見たことのないゲームだ。ジョン・デーリーは全盛期に一石を投じたし、タイガー・ウッズはゴルフを変えた。ブライソンも、また(ゴルフ界を)変えようとしているのかもしれない」と革命を予告した。