「ウィンダム選手権」初日スコア
2020年 ウィンダム選手権
期間:08/13〜08/16 場所:セッジフィールドCC(ノースカロライナ州)
どん底から復活の親友同士 シンプソンとトッドが地元競演
◇米国男子◇ウィンダム選手権 初日(13日)◇セッジフィールドCC(ノースカロライナ州)◇7131yd(パー70)
粋なペアリングだった。レギュラーシーズン最終戦で予選同組となったウェブ・シンプソンとブレンドン・トッド。ともに35歳の2人は、コースから約90マイル(約145㎞)離れたノースカロライナ州ローリーで育った親友同士でもある。
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出会いは11歳の頃にさかのぼる。ペンシルベニア州ピッツバーグで生まれたトッドが引っ越してきたことで、地域のジュニアイベントで対戦するようになった。シンプソンは「彼が引っ越してきたことは、僕のゴルフにおいて最高のことだったかもしれない。彼は僕よりも優れていて、インスピレーションを与えてくれた。負ければ悔しくて自分に腹が立ったし、『もっとうまくなれ。ベストを尽くせ』と背中を押されているような気分になった」と振り返る。
切磋琢磨し、ノースカロライナジュニアのマッチプレー決勝でぶつかることもあれば、17歳のときには2人でチームを組んで州のアマチュア大会を制したこともあった。大学を経てプロとなった2人は、ともにキャリアで激しい浮き沈みを経験している。
2011年「ウィンダム選手権」で初優勝を飾り、翌年「全米オープン」のビッグタイトルをつかんだシンプソンは中尺パターを愛用していたこともあり、16年のアンカリング禁止のルール改正で苦しんだ。
14年「HPバイロンネルソンクラシック」を制したトッドも、翌シーズン終盤から深刻なショットイップスに悩まされた。15-16年シーズンから17-18年シーズンにかけては44試合で予選落ちが39試合を数え、18年「ウィンダム選手権」のマンデートーナメント(予選会)を耐えきれずに棄権。クラブを置き、フランチャイズのピザ店を開業することも真剣に考えたという。
どん底を味わいながら、シンプソンは18年の「ザ・プレーヤーズ選手権」で5年ぶりの優勝を果たして復活。トッドも今季序盤に「バミューダ選手権」「マヤコバクラシック」で出場試合2連勝を達成。年間ポイントレースのフェデックスカップランキングでは現在、シンプソンが3位、トッドが9位と好位置につける。
シンプソンは4アンダー暫定13位、トッドは2アンダー暫定43位とそろってアンダーパーで発進。シンプソンは「ブレンドンがいた場所から、今のゴルフ界のトップにカムバックすることは本当に難しかったはず。親友としてうれしい」とたたえた上で、「20年以上の付き合いになるけど、今でも一緒にプレーすれば、お互いを打ち負かそうとする。僕らにとってここで対決できるなんて夢のようで、とてもクールだ」と喜びをかみしめた。
トッドも「同じトーナメントにいるわけだし、一緒に食事にでも行ければ最高だけど、コロナウイルスがある以上はなかなか難しい。でも、幼なじみで親友のウェブと競い合えるのは楽しいよ」と笑った。大きなつまずきを乗り越え、再び成功をつかんだ2人。キャリアを彩る友情の物語も続いていく。