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「いつかはアメリカに」西山ゆかり4打差8位浮上

夢にまで見た場所での優勝争いだ。三重県の近鉄賢島CCで行われている「TOTOジャパンクラシック」2日目。今季待望のプロ1勝を挙げた西山ゆかりが、初出場の日米ツアー競技で首位と4打差の通算9アンダーの8位タイで最終日を迎えることになった。

多くの海外勢で埋め尽くされたリーダーボード。トップ10までに日の丸はわずかに2つ。10アンダー6位の鈴木愛、そして同じくツアー1勝の西山の名前がそこにある。

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16位から出たこの日は、4バーディを奪った後の11番(パー3)でトラブルに見舞われた。バーディパットのアドレスに入った際、ボールがわずかに動いた。「ディンブル1つ半くらい」。すぐに競技委員を呼び、1罰打が加わって、良い流れを止めかねないボギー。しかし、その後に2バーディを決める粘り強さと謙虚さが、遅咲きの33歳にはあった。「キャディさんの『次にまたバーディを決めればいい』という言葉にも助けられました。動揺することなくプレーできた」。師匠の芹澤信雄からは前週、パッティング時の過度なハンドダウンを指摘されて構えを修正。それもピタリとハマり「67」をマークした。

プロ転向7年目の今年8月「meijiカップ」で悲願の初勝利を挙げた。下積み時代の2009年からは年に数カ月、アニカ・ソレンスタムが主宰するフロリダのゴルフアカデミーを訪れていた経歴を持つ。実際に女王から直接指導を受けたことはなく、交わした会話も「Everything good?」、「Good!」といったあいさつ程度だったが、米ツアーは「特別な思いがある」場所だった。同じフロリダで行われる男子ツアー「アーノルド・パーマーインビテーショナル」を観戦したこともある。

まだここは日本だが、今大会は日本ツアーが公認する紛れもない米ツアー競技のひとつ。逆転優勝となれば、扉はもちろん一気に開く。「研修生の頃から『いつかアメリカに行きたいなあ』と思っていた。優勝を目指したい、優勝したいという気持ちはあります」と言った。「芹澤さんに『調子に乗るな』って怒られそうですけど…」と控えめに笑って付け加えたが、数カ月前までなら出場する権利さえなかったトーナメント。今年の活躍がなければ、口にするのもはばかれたほどの夢舞台に立っている。(三重県志摩市/桂川洋一)

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