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イギリス流ゴルフのファンになった朴セリ

朴セリにとってはイギリスのゴルフというものに対する考え方が大きく変わった。1998年にはイギリス流ゴルフを嫌っていた彼女だが、いまやビッグ・ファン、いや、メジャーなファンといったほうが正しい表現だろう。8月5日のウィータビックス全英女子オープンでの優勝は韓国人女性としてイギリスでの初めての勝利であり、彼女自身にとってメジャー3勝目。1998年の全米オープンとマクドナルドLPGAチャンピオンシップに次ぐ勝利なのである。

全英女子オープンでは71-70-70-66、トータル11アンダーの277。同じ韓国のキム・ミヒョンに2打差をつけて勝った。アメリカのローラ・ディアズ、スコットランドのジャニス・ムーディーとカトリオーナ・マシュー、デンマークのイベン・ティニングは3打差の280。朴セリはこれで今季4勝。今回の優勝賞金22万1,650ドルによって賞金ランクではアニカ・ソレンスタムを抜いて首位に躍り出た。23歳の朴セリにとってキャリア・グランドスラム達成にはナビスコ・チャンピオンシップを残すのみである。あと3年のうちにナビスコに勝てば最年少キャリア・グランドスラマーとなる。

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2位のキム・ミヒョンは14万3,000ドル、ディアズ、ムーディー、マシュー、ティニングはそれぞれ7万4,092ドルを獲得した。マシューはムーディとイングランドのローラ・フェアクラフ、そしてキムに一打差をつけ、最終日を9アンダーで迎えていた。マシューに4打差だった朴セリにチャンスがあるとは言い難かった。しかし、パー5の1番ホール、朴セリは3番ウッドで3mにつけてイーグルをものにしてスタートしていき、10番、12番でバーディをとって突如として優勝争いに絡んできた。

「13番か14番ホールまで、私はリーダーボードのトップにいるとは思っていませんでした。まだ残りのホールはたくさんあるし、とくに上がりの3ホールはとても難しいのをわかっていましたから、これまで通りプレイを続けていって、なんとか自分のベストフィニッシュができればと考えていました。14番が終わったとき、みんながスコアを落として8アンダーとか9アンダーになっているのを見ました。私が首位に立っているのを知って、かなりビックリという感じでした」

そこから朴セリはあるやり方で勝利をものにしてみせる。17番と18番を連続バーディとし、誰も追いつくことのできない11アンダーにスコアをのばすのである。
ローラ・ディアズは朴セリよりも離されていた。マシューから6打差で最終日を始めたが、出だしの6連続バーディで追いつく。10番でもバーディを決めたが、14番、16番でボギーとしてチャンスを逃してしまったが、ディアズにとって6連続バーディは初めてのことだった。

マシューにとってはツキのある週だったはずだ。初日は18番ホールでの二打目7番アイアンのアプローチが直接入ってイーグルとなり、2アンダーの70。二日目には215ヤードの15番ホールで、7番ウッドのティショットがエースとなり、65。三日目を迎えた時点で5打差とリードしていたが、最後の4ホールで3打を落として、54ホール終了時点でリードは1打となった。日曜日、マシューは連続バーディでスタートして11アンダーとスコアをのばすが、ツキは消え失せており、グリーン上ではパットが決まらなくなっていた。

「一日中、グリーン上ではうまくいかなかったのです。スタートはよくて連続バーディでしたが、5番でボギー、6番では3パット。モメンタムを失ってしまいました。10番では3パットのパー。14番ではいい感じでバーディが来ましたが、あとが続きませんでした。なんといっても15番の3パットで終わってしまいました」

ムーディーも最終日にはグリーン上で少し苦しんだ。 「パットが二つ入っていれば、わかりませんでしたね」 ムーディーはマシューとともにサニングデールで歴史に名を残すチャンスがあった。メジャー初のスコットランド人のチャンピオンとなる可能性があったのである。
しかし、歴史に名を刻んだのは朴セリだった。全英女子オープンがメジャー戦に昇格して初めてのチャンピオンとなった。1998年にロイヤル・リザムで行われた全英女子オープンでは20オーバーの308。34位タイ。それ以来イギリスには足を向けていなかった朴セリ

「1998年には、もう私はここへは来ないって言いました。ほんとうに大変だったからです。ずっと雨が降っていて風もひどくて、コースも合ってなかったし。こういうゴルフは私にはできないって思っていたんです」

朴セリのキャディーであるコリン・カン(Colin Cann)は、サニングデールは大丈夫だと彼女を説得した。カンはアニカ・ソレンスタムについてメジャーを2勝している。サニングデールについてもよく知っていた。コースから10分ほどのイーガムにすんでいるのである。

「コリンがイギリスのゴルフは楽しいよと言うので、私は、楽しくないわ、ストレスばっかりよと答えました」 「でも私には選択肢がありませんでした。今年最後のメジャーですから。私はがんばったし、実際はプレイしていて楽しかったのです。私は、面白いわと言いました。アメリカでのゴルフとは違うけれど、面白かった。というより、ゴルフというゲームの違う面をたくさん学びました。だからプレイしていてわくわくしていたんです」

朴セリはターンベリーについては全く知らないが、来年はスコットランド西海岸に赴くことになる。ディフェンディング・チャンピオンとして、そしてイギリス流ゴルフのメジャーなファンとして。 By Alistair Tait(GW)

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