「広い心で、あきらめない」渋野日向子が好成績連発のメジャーで貫きたいマインド
◇女子メジャー第3戦◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前(18日)◇フィールズランチ イースト (テキサス州)◇6604yd(パー72)
2019年「AIG女子オープン(全英女子)」優勝でド派手に始まった米ツアーのキャリアで、渋野日向子のトップ10は9試合を数える。そのうち7試合がメジャー。今季も3週前の「全米女子オープン」で優勝争いを演じて7位とシーズンベストの成績を収めた。メジャーに強い――。ともすればイメージで語られてきた部分を数字が証明している。
渋野自身がメジャーでの戦いを振り返って思うのは「“諦め”が早いような気はします」ということ。ゲームを捨ててしまうようなネガティブな意味ではなく、絶対にグリーンを狙えないラフにつかまってから即座に3打目勝負へ切り替えるといった割り切りに近い。タフなメジャーセッティングだからこそ、ミスもすれば、ボギーも出ると受け入れられて、集中力を研ぎ澄ませて戦うことができる。最後まで気持ちが切れないという点では、みじんも諦めていない。
ショット、パットにおけるひとつのミスが許せず、気持ちを乱してスコアに直結してしまうのが悪い時の流れだという自覚はある。渋野にとって、難しいメジャーのコースは「広い心で、諦めない」マインドを体現しやすい舞台。「毎週のように、そう思えるようになりたいのが目標です」と苦笑しつつ、6年連続6度目の出場となる今回の全米女子プロでも同じように戦い抜きたいとうなずく。
バミューダ芝のラフはボールがスポッと埋まってしまうケースもあり、「(ライ次第で)無理して長いクラブを持つよりも3打目勝負。諦めも肝心」。右サイドのペナルティエリアが近いホールでは「右から行くとグリーンを狙いにくいホールもある。そういう時はラフを広く見ていった方がいいかもしれない」。7位に入った昨年の林間コースから、全く違うタイプの開けた18ホールでも、許容範囲を広げて戦うポイントは共通している。
連日気温30℃超の暑さも厄介だが、開幕前2日間とも午後にかなりの強風が吹き荒れているのも悩ましい。初日は午後2時28分(日本時間20日午前4時28分)と遅い時間のスタート。「この風と友達には…なれないなあ。こっちから拒否だわ~」と笑った後で、「なれるように頑張りたい」と必死に歩み寄るつもりだ。「しっかりポイントも稼いでいかないといけないし、上で戦いたいので」。改めて、我慢を重ねる覚悟を自らに求めた。(テキサス州フリスコ/亀山泰宏)