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<こちらも開幕戦勝者! 田島創志の生きる道>

2014/04/27 09:01

今年の国内開幕戦は、宮里優作の年またぎの連勝で盛り上がったが、もうひとつの“開幕戦”の勝者についても、ここで少しクローズアップさせていただきたい。「Novil Cup 2014」はレギュラーツアーの登竜門、チャレンジトーナメントの開幕戦である。

田島創志は、レギュラーツアーの「久光製薬KBCオーガスタ」で1勝を挙げている37歳の実力者。2006年にシード落ちを喫してからずいぶんになるが、“復活”までの道のりには紆余曲折があった。

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一度は“引退宣言”をした。2012年には、翌年のツアー出場権をかけた予選会のQTもキャンセル。ゴルフ界から姿を消した。「嫌になってしまった」のだという。契機は結婚して二児の父親になったこと。

家族と過ごす時間に何ものにも代えがたい幸せを感じながらも、一方で「養っていかなくては」という気持ちがいつしか強迫観念となり、将来に不安さえ感じるようになってしまった。

「デビューしたころにはただただゴルフが好きで、勝負に勝つことが目標でやってきたのに」。いつの間にか、家族のために1円でも多く稼がなくてはと、お金儲けが目標になり、そのために予選通過に必死になり、「ゴルフをしても、ちっとも楽しくなくなった」という。

「そんな自分に本当に嫌気がさしてしまった」と田島は振り返る。「予選通過が目標のプロゴルファーってどうなんだろう?」。それもひとつの生き方ではあるが、もともとロマンチストには、そんな自分が許せなくなってしまったのだ。「もうプロギルファーは辞めよう、と」。

かわりに生活のために何でもやった。「レッスンはもちろん、トイレ掃除もやりましたよ」。

がむしゃらに働いたことで、いつしか別にゴルフでなくても稼いでいけるという自信が芽生えてきた。思い切ってゴルフから離れると、視野がグンと広くなり趣味も増えた。今までケガが怖くて出来なかったスキーや、トライアスロンにも挑戦。「おかげで体もかなり絞れました」と、逞しさも増した。

その中で再びむくむくと首をもたげてきたのは、尽きることのないゴルフ愛。久しぶりに戻ってきた勝負の世界は「本当に新鮮だった」と田島は言う。最終日の逆転Vも、ノンプレッシャー。「最後まで、楽しくて仕方なかった」と、ゲームを満喫した末に掴んだ“復活優勝”だった。

この1勝で、出場権を得たレギュラーツアーの第3戦「つるやオープン」でも、田島はとても楽しそうだった。初日は77を打って予選落ちをしても「それもまたゴルフだし」とあっけらかんと「今は子どもの前で、強い父親を見せることが目標です」。ドン底に落ちても何度でもやり直せる。それを身をもって示そうと思っている。

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2014年 Novil Cup 2014



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