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ツアープレーヤーたちの素顔 <ゴルフ伝道の旅で感じたこと>

ジャパンゴルフツアーメンバーたちが、全国各地の子供たちにゴルフの楽しさと夢を持つことの意義を説いて歩く2010年度の“ゴルフ伝道の旅”も、先月2月の最終週5校が終了。いったん、ひと区切りがついた。

まず最初に鈴木亨が訪問した兵庫県加東市の三草小学校からスタートすると、残り4校はまさに駆け足。卒業式を控えた学校側と、選手の予定をすりあわせた結果、5日間に4人の選手が4つの小学校をまわるという、ギュっと凝縮した日程となった。以前にもこのコーナーで紹介させてもらったことだが“旅”の途中に選手たちはみな、それぞれに意外な素顔を覗かせる。純心な子供たちに、まさに丸裸にされるというのもあるだろうが、いつもコースで見せている表情は、ほんの一部分なんだなと思い知らされる。

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山梨県の山梨市立三富(みとみ)小学校を訪れた藤田寛之は、「夢を持とう」をテーマに語った講演会で、意外にもウケを狙った。普段は「生真面目なA型」と、本人も言ってはばからない選手が子供たちを相手にあの手この手で笑いを取って、気を引く様子が微笑ましかった。地元・広島県の竹原市立吉名小学校で、兼本貴司が終始クールな“伝道師”を演じたことは想像どおり。むしろ口べたな印象があったがこれまで39年の人生と、夢を語る講演会では、非常に説得力のある語り口を披露して、集まった関係者をもうならせた。

本人は「途中、何度も頭が真っ白になって、ショートするかと思った」と後から明かしたが、子供たちの前でそんな素振りはみじんも見せず、メッセージ性の強い講演会が静かな感動を呼んだものだ。ほとんどの選手たちが、大勢の前でスピーチするのは初めての経験。長野県の飯田市立上郷小学校を訪れた小田龍一も例に漏れず、前夜の食事からコチコチだった。そのときを想像しては「ああ、どうしよう。今からドキドキする」と身を縮める。しかし、夕食の席でひとたび酒が入ると九州男児の酒豪がパワー全開。

気持ちよく杯を進めるにつれて「明日は大丈夫な気がしてきた」と、がぜん強気になったのもつかの間だった。翌朝には“魔法”はすっかり解けて、それこそ講演会の直前まで弱音ばかり吐いていたという。しかし、そこはプロ。いざ本番では兼本と同様に堂々としたもので、無事講演を終えて本人もすっかり味をしめた!?「機会があったらまたぜひ」と、言ったそばから「・・・でも今度は出来たら講演抜きでお願いします」と付け加えて笑わせた。

そんな中でももっとも想定外の一面を見せたのが、京都の宇治市立笠取小を訪れた山下和宏だ。コースでも折り目正しい振る舞いと、物腰の柔らかさ、いつも絶やさぬ笑顔で関係者からもすこぶる評判の良い選手である。普段の几帳面さからいっても、さぞや“予習”にも余念がないだろうと思いきや当日は、「紙に書くとそれにとらわれてしまうと思ったので、何もメモしてきませんでした」と、言ったのだ。いざ講演会でも大胆不敵。たいていの選手はまず黒板に丁寧に人生年表を書いて、それに沿って話しを進めていくのが常だが、山下は違った。

黒板を一度も振り返ることなく、子供たちから片時も目を離さずに、語りきった。きっとこの選手は教壇の机の下に“カンペー”をしのばせ、順序立てて講演を進めるだろう。彼はそういうタイプの選手だと、こちらは勝手に思い込んでいたから、なおさら目からウロコだった。ツアー初優勝はまだだけれども、初体験の“授業”もさらっとこなしてしまう様子は、近々大化けしそうな印象を抱かせるのに十分だった。思えば長い苦節を経たのちに、プロ入りは11年目の35歳を迎えた2008年に、ようやく念願の初シード入りを果たした選手である。あの大胆さと粘り強さを持ち続ければ、そんな日もきっとそう遠くない。

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