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タイガー・ウッズが、プレー以上にファンを魅了したこと/ダンロップフェニックストーナメント

今週スタートティで、ウッズがいつも真っ先に向かうところがあった。それは、マーカーや移動式スコアボード係として、大会をお手伝いくださるボランティアのみなさんのもとだった。

その日18ホールを一緒についてまわってくださるひとりひとりに帽子を取ってお互いに自己紹介。「よろしく」と笑って、握手を交わす。同じ組でまわる選手やキャディとの握手は、そのあとだ。

この順序は4日間とも、けして変わることがなかった。紳士的な態度でこの1週間、日本のファンを魅了し続けた。

「タイガー!!」熱狂的なファンの呼びかけには、そのとき自分に余裕があるかぎり、声のほうに向き直って手を振って応える。

身長188センチの足元から聞こえてくる声援には特に敏感だ。
「たいが~!」子供たちの小さな呼び声にもきちんと視線を落として、笑顔で手を振り返す。

最終日の8番ホールで1.2メートルにつけて、バーディを奪った。次の9番ティに向かう通路のところでロープから身を乗り出して、「タイガ~!!ナイスバーディ!」と、懸命に声を張り上げた子にニッコリと微笑みかけたタイガーは、いまカップに沈めたばかりのボールをすかさずその小さな手に差し出した。ふいのプレゼントに、あたりは騒然。受け取った子は、大事そうにそのボールを胸に抱えた。

プレーでも、虜にした。最終日は10打差の大量リードからのスタート。「今日は昨日までより、手堅いプレーを心がけた」と口では言うが、3番では第2打を約60センチにつけてバーディ。

9番では、あわやイーグルのスーパーショットにあたりは騒然となった。9アイアンで打った残り143ヤードの第2打がカップに吸いついた。ピン手前5センチに落ちたボールは、バックスピンで10センチにピタリと止まった。これをタップインで沈めたウッズに、「いいものを見せてくれてありがとうっ!」感極まったギャラリーの歓声に応えて、なんともチャーミングな笑みを浮かべたウッズは、悠然と手を振ってみせた。

現地入りした15日月曜日には、ファンの集いを開催。そのとき、英語のスピーチをプレゼントしてくれた地元・日章学園の中村友里絵さん、真里絵さん姉妹との約束もかなえた。

中村さん姉妹はスピーチの中で、「今週、優勝してください、と言いました。それをほんとうに実現してくれて…とっても嬉しい!!」(中村さん姉妹)。 大きな花束を持って祝福に駆けつけてくれた中村さん姉妹の背中をそっと抱いて「応援、ありがとう!」心をこめて、握手を交わしたウッズ。

たくさんの人々の心に、強烈な印象を焼き付けて去っていった。名残を押しむ大勢のファンに、来年の再開を約束し、愛妻・エリンさんのもとへと帰っていった。

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