選手コメント集/中日クラウンズ最終日
ツアープレーヤーたちの照れ笑い<尾崎健夫>
2005/05/09 09:00
先月の中日クラウンズで久しぶりの優勝争い。弟・直道との兄弟対決で、和合を沸かせた尾崎健夫こと「ジェット」が、報道陣に囲まれて何やら照れ笑いを浮かべていた。
「ヘヘっ!なんだかオジサン、恥ずかしいよぉ~」。51歳の恥らいの原因は先月、出演したテレビ番組のこと。日本各地の名所をめぐる旅番組に、女優の坂口良子さんと出演。湘南から箱根への旅で、仲むつまじい姿を見せたときのことだった。
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「よい雰囲気で、撮れてましたね~」との記者の言葉に、ジェットはとたんに眉をハの字にして冒頭のセリフ。そして、しきりに「照れちゃうよ~」と言いつつも、披露してくれたのは、取材裏話だ。
中でも、ジェットがいちばん戸惑ったのは、坂口さんと何気なく辺りを散策するシーンの撮影のときだったという。特に台本もなく、「とにかく2人で何か話しながら、楽しげな雰囲気で歩いてください」との指示だったのだが、「これが、もうほんっとに恥ずかしくてさ・・・」と、顔をしかめた。
「俳優さんは、やっぱりそういうのとっても上手なんだけどさ、俺なんか慣れてないわけないじゃない?何を話せばいいやら困っちゃうし、照れちゃうしで、もう『参りました』って感じよ」
それでも、「なかなか様になっていましたよ」との記者からの褒め言葉にはまんざらでもない様子で、「そう?ならこのままゴルフで食えなくなっても、しばらく“その路線”で稼いでいけるかもなぁ」とリップサービスで、タレント稼業への「転職」の可能性も示唆してみせたが、もちろん本音は違う。
1回1年限りで適用できる「1973年ツアー制施行後の生涯獲得ランキング上位25位内」という出場資格で参戦している今シーズンは、「勝負の年」と位置づけている。もし、今年もまた賞金ランキングによるシード権が取り戻せなければ、出場優先順位を決める年末の予選会「クオリファイングトーナメント」から挑戦するしかなくなるだけに、「これが最後の年、というくらいの気持ちでやってるんだ」というジェット。2週連続優勝をあげた弟・直道に負けじと、食らいついていく覚悟だ。