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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちの誕生会<チーム芹澤>

2007/06/25 01:11

藤田寛之には1年に一度、気の重い日がある。11月10日。芹澤信雄の誕生日だ。いやもちろん、師匠を祝うのが嫌なのではない。むしろ弟子仲間の宮本勝昌らと芹澤を囲み、ワインで乾杯する楽しいひとときを、毎年心待ちにしている。

問題はそのあとだ。めいめい持参したプレゼントを、その場で開封するのが恒例となっている。その瞬間を想像するだけで、今から苦痛で仕方ないのだ。

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というのもこれまで藤田は、師匠のプレゼントは毎年ワインと決めていた。毎年、ボジョレーヌーボーの解禁日を楽しみにしているほどワイン好きの芹澤には、それが何よりだろうと思っていたからだ。

そんな考えを改めざるを得なくなったのは昨年、芹澤の47回目の誕生日のことだった。

マンネリ化を懸念した宮本が、趣向を凝らした贈り物を持参していたのだ。「おめでとうございます」と言って差し出したのは、先に小さなカメラがついていて、耳の中に映像を見ながら耳掃除ができる耳かきだった。

いつもと違ったプレゼントに大喜びした芹澤が、何気なく言ったのだ。「たまには、こういうものいいよね! いつも同じじゃ芸がないし、気持ちがこもってない感じがするもの!」。この一声で今後“チーム芹澤”の誕生日会で、プレゼントの品評会をやろうということになったのだ。

藤田が口を尖らせる。
「確かに、去年の宮本のプレゼントは一生懸命考えた感じがして良かったけれど。でも実は芹澤さんは、耳掃除はいつも、奥さんにやってもらってるんです。だから、実際にあのプレゼントは役に立たないんです。宮本の事前リサーチが不十分だったと言わざるをえないでしょう!?」。「芸がない」と言われてしまった悔しさを再び思い出したのか、その胸のうちをとうとうと吐き出したのだった。

「今年の師匠のプレゼントは何にしよう!? 今から胃が痛いです」という藤田も、今月16日に38歳の誕生日を迎えたばかりだ。ちょうどその週はオープンウィークで、お祝いはしばらくお預けとなってしまったのは残念だが本人の中では、自身の誕生日会すらそろそろ憂鬱なものになりつつある。

「だって、もうすぐ40歳って考えたらやっぱり、ねえ・・・」。いつの間にか、もうベテランと呼ばれてもおかしくない年齢になって「年を聞かれて答えるのに躊躇する女性の気持ちが、すごく良く分かるようになってきた」という。「誕生日におめでとうと言われて、僕も素直に喜べなくなってきました」と、苦笑していた藤田。それでも、翌週のミズノオープンよみうりクラシックの会場でファンの方から1週間遅れのプレゼントを受け取って「やっぱり、お祝いしていただけることは嬉しいですね!」。あっという間に考えを改めて、頬を緩めたのだった。



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