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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちのハプニング<谷口徹>

2007/07/29 12:15

ゴルフトーナメントに行かれたら、ファンのみなさんにはぜひ最後まで見届けて欲しいのが優勝シーンだ。激戦を制して思わず咆哮する者、初優勝に一瞬、呆然と立ち尽くす者、長年のスランプを乗り越えて歓喜の涙にむせぶ者・・・。さらに家族や親戚、友人の熱い気持ちも合わさって心温まる感動シーンが繰り広げられる。選手の個性や素顔が如実にあらわれる場面でもある。

特に、同じ選手仲間からの祝福は思いがけないハプニングを呼んで、なかなか趣深いものがある。
中でも語り草なのが2004年、ABCチャンピオンシップの井上信だろう。マンデートーナメントを突破して、ツアー初優勝を飾るという史上19年ぶり3人目の快挙達成に、18番グリーンに実に多くの仲間たちがお祝いに駆けつけたものだが、悲劇は彼らの手で宙を舞ったそのあとだった。胴上げのあと、グリーンサイドの池に放りこむ計画だったが、手元が狂った。運悪く井上は手前1メートルの淵に落下。その衝撃であばら骨を折り、あとの数試合を棒に振るしかなかった。前代未聞のこの事態は翌週のワイドショーで取り上げられたほど、ちょっとした話題を呼んだものだ。

このときほど注目を集めなかったものの、実は今年7月のウッドワンオープン広島でもあわやのアクシデントが起こっていた。

谷口徹の1年半ぶりのツアー通算12勝目はタイのプラヤド・マークセンとのプレーオフ。普段から歯に衣着せぬ物言いでハッパをかけられ「なにくそ!」と闘志を燃やしつつ、その言葉に確かに谷口の“後輩愛”を感じ、ガッツ溢れるプレーぶりを尊敬してやまない若手選手ら数人が、その様子を見守っていた。

プレッシャーのかかる場面にもかかわらず、持ち前の強心臓でフェアウェイど真ん中をキープして、勝利を飾った谷口を待ち構え、シャンパンシャワーならぬミネラルウォーターをいっせいに浴びせかけたそのときだった。

「イテっ!!」と大きな声がしたあとに「タンマ、タンマ!(※ちょっと待っての意)」と慌てたようなチャンピオンの声。さかんにペットボトルを振り回していた手という手がピタリと止まり、何事かと全員で輪の中心をのぞきこむ。

右目の上あたりを押さえながら谷口がうめく。
「誰かのがここに思い切り当った・・・」と、その手を恐る恐る離したらアララ大変・・・。

目頭のあたりから、ツツ~と鮮血がしたたったのだ。

どうやら、勢い余った1人のペットボトルがまともに直撃したようで、歓喜の涙ならぬ血の涙となってしまい、青ざめた一同は平謝りだ。

しかしうっすらとできた青あざもすぐに消えて、大事に至らなかったのが幸いだった。本人もせっかくの祝福ムードを壊すまいと「大丈夫、大丈夫!」と笑顔で平静を装ったが血を流したまま、ギャラリーの祝福を受けて歩く様子がなんとも痛々しく・・・。
“19番ホール”では、テレビ画面にも映らないそんな悲喜こもごもが繰り広げられているわけである。



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