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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちの張り合い<丸山茂樹>

2008/10/06 10:58

先週の「コカ・コーラ東海クラシック」で国内3連戦。今週の「キヤノンオープン」にも出場を予定している丸山茂樹は、9年目を迎えた米ツアーでいままさに過渡期を迎え、不振脱却の糸口を求めて帰国した日本ツアーで、本来の明るさを取り戻しつつある。なんといっても、母国語で心ゆくまでお喋りができる喜び。昔なじみの選手たちに「マルがいるとツアーの雰囲気が変わる。ピリっとするよ」なとど言われて、張り合いが出ないわけがない。「そういうのが嬉しくてね。心が癒される」と、照れくさそうに打ち明けた。

確かに、アメリカで友達もできた。しかし、それは「クリスマスカード」のやりとりをする程度の付き合いだ。一緒に食事に行ける友人がいるかといえば、「それは、やっぱり社交辞令で終る」。以前、今田竜二に聞いたことがある。「竜二にはいろいろちょっかいをかけてくるのに、なんで他の選手はあまり俺には話しかけてきてくれないのか」。「それはボス(丸山のこと)、仕方ないよ」と言われた。中学から単身アメリカに渡った今田は、「日本の国旗を背負いつつも、中身はアメリカ人」(丸山)。流ちょうな英語を操り用具やスイング技術の情報収集はもちろん、ジョークの笑いのツボに至るまで、そういう些細な“感覚”も、まったく彼らと一緒だ。

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その点、丸山には微妙なズレが生じるのは否めない。確かに、日常会話はほぼ問題なくなったとはいえ、込み入った話になると難しい部分が出てくる。「ボスに話しかけてもしうまく返答できなかったら、ボスに恥をかかせることになる。相手も、そうやってつい気を遣ってしまうんだと思う」と、今田に言われ妙に納得したことを覚えている。「やっぱりまず言葉。それだけで、ゴルフも2ストロークは違う」。歯を食いしばってきた9年間で、導き出た答えのひとつでもある。

そういう意味でも、ひそかに丸山が期待を寄せているのが長男・奨王くんだ。アメリカで生まれ、20歳までは日本とアメリカの2つの国籍を持つ愛息は、日本語で話すときはシャイで恥ずかしがり屋なのに、英語だとたちまち強気な“アメリカ人”になるのだという。ある日の公園での出来事だ。ひとりの女の子が、奨王くんが英語を話せることも知らずに言ったそうだ。「あの子は日本人だから仲間に入れない」。その言葉を聞いた奨王くんはたちまち顔を真っ赤にして言ったという。「I’m American!」。そして、その女の子にどうして仲間はずれにするのかと詰め寄った上に、その子の親にも猛抗議。無礼に対し、堂々と謝罪を求めたという。

妻・瑞穂さんから一部始終を伝え聞いた丸山は感心するとともに、頼もしさを感じたという。英語でケンカできるくらいの語学力があれば、アメリカでも十分にやっていける。またゴルフのほうもめきめきと腕をあげて、今では余裕の平均80台で回ってくる。つい最近ではジュニアの大会でも優勝をあげて、がぜん将来が楽しみになってきた。「もうすぐしたら、俺も負けそう」と、親として危機感すら感じているという。もちろん、最終的には本人の気持ち次第だが、プロになりたいと言うのなら、精一杯に応援するつもりだ。

「遼くんの次は、うちの息子がいるかもよ…!」と、嬉しそうに言った丸山。「あと8年もしたら、あいつも16歳。そのころにはどうなっているか分らないから!」。石川遼のライバルとして、競り合う日が来るかもしれない。その日が来るまで、父としてまだまだ頑張らなければいけない。



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