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佐藤信人の視点 勝者と敗者

虎さんはなぜ日本人から愛されるのか

「カシオワールドオープン」は“虎さん”ことチェ・ホソン選手(韓国)が、最終日に5バーディ、ノーボギーの安定したゴルフで通算15アンダーとし、5年ぶり2度目となる日本ツアー勝利を挙げました。

チェ・ホソン選手は独特のスイングに大きなパフォーマンス、ド派手なウェアと、個性的なキャラクターとして注目を集める45歳。SNS上でその変則スイングが取り沙汰され、世界のゴルフファンの知るところとなりました。トーナメント会場でも彼のプレー見たさに来場する人が少なくない状況となっています。

彼を見て一番に感じるのは、どちらかというと不器用なタイプという部分です。日本を主戦場にして5、6年ほど経ちますが、いまだに日本語はほとんど話しません。キム・キョンテ選手らは同じくらいの時期には、流暢な日本語でマスコミにスマートな受け答えをしていました。

また練習ラウンドでは、韓国人選手はおおむね同国出身者同士で回ることが多いのですが、彼だけはいつも一人。ほかの選手と一緒に行動しない、他と群れない一匹狼。まさに昭和の名優・高倉健さんの名台詞『自分、不器用ですから…』に象徴されるような、現在の日本人男性が忘れかけていた“男くささ”を感じるのです。

ゴルフを始めたのは25歳。それまで職を転々とし、ゴルフ場のアルバイトを始めたことがきっかけでゴルフと出会い、プロになり、韓国ツアーと日本ツアーを制するまでに…。注目されるのは当たり前と言えるほどドラマチックな経歴の持ち主なのです。

いまや日本ツアーだけでなく世界のどのツアーでも、選手は皆、ジュニア時代からトップの成績を残してきたエリートばかりです。セオリー通りの完璧なスイングを学び、第一線で活躍し続けてきたゴルフのうまい強者たちの集まり。研修生上がりや、苦節数十年の大ベテランが、優勝争いに加わるケースはほとんど見られなくなりました。そのなかで彼のような経歴やキャラクターは稀少であり、今回の優勝がもたらした意味は大きいと感じています。

彼の代名詞となった変則スイング。これもその打ち方ばかりに注目されますが、その形を変えずにずっと続けてきたことに大きな意味があります。不調が続いたり、成績が低迷したりすると、どうしてもプロの世界ではスイング改造という選択肢が頭をよぎります。お手本となるマニュアル的なスイングを取り入れる方向には行かず、独自の理論を突き進んだ精神力。この強いメンタルがプロの世界で通用することを、今大会の結果でより証明しました。

群れない、ブレない、昭和の男“虎さん”――そんな不器用さが日本のギャラリーに親近感として伝わり、魅了される人が急増中なのだと思われます。彼は単なるパフォーマーではなく、日本人選手が忘れかけていた何かを思い起こさせる貴重な存在と言えるのではないでしょうか。(解説・佐藤信人

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佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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