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「そもそもヘタでした」藤田寛之はシニアデビュー戦Vならず

◇国内シニア◇マルハンカップ 太平洋クラブシニア 最終日(30日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7020yd(パー72)

シニアデビューラウンドで首位発進を切った51歳の藤田寛之は、2日間大会の最終ラウンドで伸ばせず初優勝はお預けになった。7アンダーから3バーディ、3ボギーの「72」で通算7アンダーのまま3位タイ。ツアー史上12人目となる初出場Vを逃した。

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“スーパールーキー”に試合勘の欠如が重くのしかかった。公式戦はレギュラーツアー、1月の「SMBCシンガポールオープン」以来。「きょうは組のみんなに本気モードの雰囲気があった」と、藤田の優勝争いのテンションは、これまで18勝を積み上げてきた主戦場でのそれとはわずかでも違いがあった。

「自分で自分にプレッシャーをかけているところもあったし、前半はセーフティに行こうと」したところ、得意のパットを決めきれずに争いは混戦に。伸ばしたいパー5である11番でのボギー、12番で1m強のバーディチャンスを外した場面を「流れに乗れなかった」ポイントに挙げた。同じ1969年生まれの篠崎紀夫塚田好宣とのプレーオフには2打足りず、「同級生のプレーオフに入りたかった。そもそもヘタでした」と肩を落とした。

次週「フジサンケイクラシック」からのレギュラーツアー再開に向け「こんなのでレギュラーに行ったら予選を通らない。ドライバーショットはつかまらずに曲がる、アイアンもパターもコントロールできていない」と自己評価は厳しい。「シニアに出続けるのもどうのかな…というのは正直あります。スピードやセッティングは違いますし…。どうしたらいいか」。51歳にして第一線で奮闘するベテランだからこその悩みもある。

一方で、コロナ禍で試合が減少しているレギュラーツアーを思えば、今週は貴重な実戦機会だった。「頭の中はレギュラー。でも試合がないと普段の練習にぜんぜん身が入らない。研修生と一緒だとか、ひとりで回っていても見えてこない。自分が何をすべきかは“現場”にある」と大会に感謝。9月17日開幕の「日本シニアオープン」への出場も考えている。

デビュー戦で得たモノのなかには、意外な副産物もあった。「先輩たちが優しくてびっくりした。先輩が…笑顔で話しかけてくれるんです。昔はピリピリして(練習場で)打席すら開けてくれなかったのに(笑)」。闘志は衰えずとも、周囲と同じように年を重ねたことは実感できた。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

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2020年 マルハンカップ 太平洋クラブシニア



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