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大里桃子と父の約束「ゴルフ場では絶対に泣くな」

◇国内女子◇CATレディース 最終日(19日)◇大箱根CC(神奈川)◇6704yd(パー73)

キャディを務める父・充さんはラウンド中、「下手くそ」、「もうやめろ」と明るく冗談のように大里桃子にゲキを飛ばす。ただ、昔からチャンスでピンを避けるようなショットを打つと「お前、逃げただろ」と本気で問い続けた。娘に攻める姿勢を忘れて欲しくなかったためだという。

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父はハンデ0の腕前で大のゴルフ好き。長男にはジャンボ尾崎に由来し「将司」と名づけた。故郷・熊本県のゴルフ場では7度クラブチャンピオンになった。8歳で始めたゴルフにのめり込んだ大里とは、二人三脚で歩んできた。3年前には、長年勤めた体育教師をやめ、大里のプロ挑戦をサポートした。

父には教えがあり、「ゴルフ場では絶対に泣くな。悔しかったら練習場で泣け」。大里がこの約束を破ったのは、昨年プロテストに落ちたときの1回だけ。最終日に17番にボギーをたたくと、最終ホールで決めないと落ちるパットを外した。目に涙をためホールアウトすると、我慢できずに号泣した。このときだけは、父も許した。勝みなみ新垣比菜ら同学年の活躍に焦る大里に「一段一段上がっていけば良い。プロになったときに追いつけるようにしよう」と励ましてきた。

この日、1打差に迫られた最終18番(パー5)の3打目。残り105ydの向かい風。ピンは左に切られた。父に「自分で決めればいい」と言われると、大里は「もう一つ下の番手だとスピンがかかりすぎる」とPWを握った。グリーン右に落とせば安全な場面。「それじゃ、かっこ悪いと思った」と20センチに止めバーディを奪った。目に涙はなかった。(神奈川県箱根町/林洋平)

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