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練乳なんてかけません! とちおとめの桃が1打差発進

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスサロンパスカップ 初日(3日)◇茨城GC西コース(茨城県)◇6715yd(パー72)

1アンダーの暫定4位につけた19歳の吉川桃。父・繁典さんと母・久美子さんはかつて、栃木県那珂川町でイチゴ農園を営んでいた。

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縦50m、横30mほどのビニールハウスを10個抱え、「とちおとめ」と「スカイベリー」を栽培していた。「天候によって左右される職業だから、大変なときもあったと思います」。

両親に感謝しながら、11歳でゴルフを始めた後も吉川は手伝いをした。「イチゴばかり食べていました。食卓に並ぶというより、そこにあるイチゴを食べるみたいな感じでした」とほほ笑んだ。

都内のケーキ屋にもイチゴを卸していたが、吉川が高校に入学するタイミングで両親は農園をやめた。3歳下の妹のくるみさんが中学生になり、姉妹そろってジュニア大会で転戦することを優先したからだ。

「作物の栽培は絶対に誰かが見ていないといけないものなので。ゴルフの転戦をぬってできるものではなかった」と吉川。父はハウスクリーニングの会社を立ち上げ、娘たちのゴルフのサポート体制を整えた。

幼少期から何個食べてきても、変わらずイチゴが大好きだという。「食べあきるってことはないです。練乳なんてかけないですよ」と笑顔。スーパーなどに並ぶ、甘いイチゴの見分け方は「形が不ぞろいのものを選ぶべきです。赤黒いものは甘くないですよ」と言い切った。

この日は両親や妹の前で4バーディ、3ボギーの「71」で回った。前週は、ツアー初優勝を遂げた同期の新垣比菜の勇姿を見て涙を流した。「両親に感謝の気持ちがあります。比菜ちゃんはすごかった。わたしも続きたいという気持ちになったし、頑張りたいです」。まっすぐな視線の19歳の声は弾んだ。(茨城県つくばみらい市/林洋平)

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