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ついに勝った!菊地絵理香の折れない強さ

咲きそうで咲かなかった花がようやく開いた。プロ8年目、26歳の菊地絵理香は「KKT杯バンテリンレディスオープン」で初日からの首位を守り切る完全優勝で初勝利を飾ると、「また負けるんじゃないかと思っていたので、勝ててびっくりした」と笑みを浮かべた。

すでに誰もが認める実力を備えてはいた。しかし、2013年の「日本女子オープン」、14年の「NEC軽井沢72ゴルフ」「富士通レディース」と、つかみかけた勝利が目前で指の間からするりと抜け落ちる経験を重ねた。

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「何回か優勝争いをしながら勝てないのが続いたのは、自分の技術力がなかったから。私は私のリズムで行けばいい。準備を怠らなければ、優勝する日が来ると信じてやっていた」と、決して焦らず、折れず、技術に磨きをかけてきた。

特に力を入れたのは、アプローチとパッティング。グリーン上では「絶対に入れたいときでも、その日の最初から最後までタッチを変えないよう徹底している」という。この成果でラインの読みも揺らがなくなり、「ジャストタッチで狙って、外しても『お先に』でストレスなく次のティグラウンドに行く」パットを繰り出せるようになった。

この日の最終18番(パー5)では、池越えでグリーンを狙う残り86ydからの3打目で「保険をかけて(ミスをしても)奥からパットが打てるように」と52度のウェッジを選択。日々の練習で育んだしなやかな判断力でピン手前80cmに止め、楽々とウィニングパットをバーディで決めた。

今週は、川口淳キャディと今季2試合目のタッグを組んだ。最終盤に連続ボギーで“自滅”して勝利を逃した昨年の「富士通-」でも組み、「勝てないのは技術が足りないだけ」と諭してくれた相手だ。この日、川口キャディは「やるべきことは4つ伸ばすことだけ」と声をかけ、優勝を意識しないゴルフにつながった。

ラウンドできるのが4月~11月半ばまでと短い北海道の出身。3人姉妹の末っ子で、次姉の明砂美も同じプロゴルファーだ。「何をするにしても負けず嫌い。5歳のころにはスキーの直滑降で父親と張り合ったりしたくらい。芯が強く、弱音を吐かない子」(母の砂織さん)。親元を離れて宮城県の東北高に進学する頃にはプロになると決め、人知れず努力を重ねた。

「長かった気がする」という初勝利までの期間。安定した戦いを続ける今季の獲得賞金は約3400万円となり、トップに躍り出た。「アメリカにも1度は行ってみたい」と世界にも視線を向け、「全米女子オープン」の最終予選会にも今週エントリーを済ませた。

「もっと、特にセカンドショットの技術を上げて、スコアの伸ばし合いになるような戦いでも勝てるようにしたい」。勝利の美酒を口にしても、向上心を絶やすことなく歩み続ける。(熊本県菊陽町/片川望)

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2015年 KKT杯バンテリンレディスオープン



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