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韓国の新星ジョン 初優勝のガッツポーズが小さかった理由

国内女子ツアー「日医工女子オープン」の最終日、今年から日本ツアー初参戦を果たしたジョン・ヨンジュ(韓国)が、7バーディノーボギーの「65」をマークして逆転し、ツアー参戦から12試合目で初優勝を飾った。

「終わったばかりで優勝の実感はない」と優勝会見に臨んだジョン。首位と2打差の2位からスタートしたジョンは、9番(パー5)で約2メートルを沈めて前半だけで4つ目のバーディを奪うと、後続の横峯さくらに2打差の首位に立って折り返した。後半は、迫る横峯に対し、「自分がもしここで攻めのゴルフに出たら、ミスをしかねない」と守りのゴルフにモードチェンジ。これが逆に奏功して、正確なショットでグリーンを捕らえて3つのバーディを奪い、大会レコードを更新する通算17アンダーで勝負を決めた。

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ジョンは2011年に韓国女子ゴルフツアー(KLPGA)でプロ転向を果たし、同年の「韓国女子オープン」で初優勝。日本ツアーで活躍するイ・ボミとは仲が良く、全美貞とはメンタルトレーナーが同じ。さらにこの3人の中ではジョンが一番年下とあって「かわいがってもらっている」という妹的な存在だ。

アマチュア時代から韓国チームとして度々来日を果たしており、先に日本ツアーで活躍していた先輩に憧れていたのは、今季の主戦場を日本に決めた理由のひとつという。日本のゴルフツアーの環境、さらには母国を飛び出し、大きな舞台で自身の可能性を引き出したいというチャレンジグな性格が刺激されたらしい。先の「韓国女子オープン」での優勝でKLPGAの5年シードを獲得しているものの、日本ツアーに身を置く強い決意で臨んでいる。

昨年末のQTで2位となり、今季出場権を獲得した。「1勝はしたいとは思っていたけど、まさかこんなに早く勝てるとは思っていなかった」と、12戦目での栄冠をにわかには信じられない様子。この日、最後まで優勝争いを演じた横峯は、「終始ポーカーフェイスで、考えていることが読めなかった」とその冷静さに舌を巻いたが、「よくポーカーフェイスって言われるんですけど…、緊張しているだけです」とはにかみながら明かした。

次なる目標は、新人賞、次は賞金女王・・・そして米ツアー参戦と、22歳は夢を膨らませた。「初優勝のガッツポーズはこんな感じ!と想像していたけど・・・、実際にその場面になったら、そのことはすっかり頭から吹っ飛んでしまった」と、勝利の瞬間に小さく握ったガッツポーズ。思い描いていたガッツポーズは次回以降のお楽しみだ。(富山県富山市/糸井順子)

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