学生時代の鍛錬の日々を経て、遂に手にした初勝利。一ノ瀬と喜一郎さんの念願が叶った瞬間だ

プロ7年目の一ノ瀬優希がツアー初勝利を飾り、幕を閉じた「Tポイントレディスゴルフトーナメント」最終日。一ノ瀬は優勝会見で、ティーチングプロで近年はシニアツアーにも出場している父・喜一郎さんとの鍛錬の日々を振り返った。

学生時代は体力作りのため、全ての移動手段は自転車のみ。自宅から高校まで40分、練習場まで30分、さらに練習で使用していたコースまで1時間。往復分も入れると、1日約4時間以上も自転車をこぎ続け、基礎体力を培ってきた。今でこそ「自転車はメッチャ速いです」と笑う一ノ瀬だが、当時は「キツかった」と苦笑い。これも、一ノ瀬が父に「厳しくしてください」と、自ら指導方針を伝えたことによるものだ。

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小学校時代はバドミントンに熱中していたが、中学校にバドミントン部が無かったため、父の影響も受けてゴルフへと転身。初めて全国大会に出場したことが本格的にゴルフに打ち込む契機となった。「九州や熊本だけではなくて、全国大会に出たことでたくさん友達ができた。またこの試合に出たかったし、遊びでは強くなれない」。厳しい指導を願う娘と、それに応える父の関係は、そこから始まった。

「“自分から厳しくしてくれ”と自分から言ってきて。そこから生活態度を含めてドンドンやりましたね。こっちが言う以上に、しっかりやっていました」と振り返る喜一郎さん。「何かラッキーが起きたのではなく、実力で勝ったのはすごいと思う。こんなに早く勝つとは思いませんでした」。感慨深げに、厳しい指導を授けてきた愛娘の晴れ姿を見守っていた。（鹿児島県姶良市／塚田達也）