今週開催される「大王製紙エリエールレディスオープン」を前に、賞金ランキング1位の全美貞の獲得賞金は約1億2390万円。2位の有村智恵は、米ツアー挑戦を控え残り2試合は欠場を表明しており、同3位のアン・ソンジュも今週は欠場。そして最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の欠場届も14日（水）にLPGAの元へと届き、2試合を残して全の初の賞金女王が確定した。

「試合が少なくなるにつれて、プレッシャーとか、メンタル的に辛くなるので、私は運が良いんだと思います」と、全は突然決まったビッグタイトルにも素直に喜びを表現する。

＜＜　下に続く　＞＞

過去6年、賞金ランキングでは常に6位以内という安定した成績を残していた。今年4勝を挙げ、通算勝利数は21勝。目標とする永久シード獲得へ向け、残り9勝と順調にその数を積み重ねている。

「本当はあまり女王を意識したことはなくて、それを目指してできればいいとは思っていたけど、絶対にやりたいという気持ちではなかった」と全。最終目標を見据え、「（女王は）ボーナスみたいな感じですね」と、はにかんだ。

今年好調の要因として「技術と心がかみ合った」と振り返る。「メンタルよりは技術が先で、そこから自信がついてメンタルが良くなった」と、技術の底上げが今年の好成績につながったと明かす。現時点で平均ストローク、平均パット数、平均バーディ数が1位、パーセーブ率は2位で、パーオン率とリカバリー率は4位と、その進歩は確実にスタッツにも現れている。

予選落ちに終わった先週。「周りからの女王への意識がすごくて、集中するのがゴルフスイングとかではなく、違うところにいってしまった。戻って来られなくて、それがすごく悔しかった。原因を考えて、私がやること、やりたいことを考えるようになって、今までと同じ気持ちでここに入ってこられました」。ライバルは不在だが、自身のプレーで女王獲得を祝いたい。（福島県いわき市／今岡涼太）