5回のプロテスト受験を乗り越えて 西澤歩未はデビュー戦を味わい尽くす
◇国内女子◇ニチレイレディス 初日(20日)◇袖ヶ浦CC新袖C(千葉)◇6594yd(パー72)◇晴れ(観衆2876人)
昨季プロテストを7位タイで合格した22歳の西澤歩未がレギュラーツアーデビューを果たした。主催者推薦での出場に「すごい楽しみにしていた。ようやくという感じ」と喜んだ。
QTランク91位で迎えたルーキーイヤーは下部ステップアップツアーを主戦場とする。ここまで8試合に出場し、直近6試合連続で予選落ち。「ずっと調子が悪くて、順位がどうこうより、いつになったら良いゴルフができるのか…」と苦戦が続くなかの晴れ舞台だった。
蓋を開ければ初日は6バーディ、1ボギー「67」。レベルの高いレギュラーツアーで首位と1打差の5アンダー2位で滑り出した。改善は前週の下部ツアー「ルートインカップ」を終えてから。曲げたくない一心で手打ちになっていたスイングは、コンパクトに振り切れていた過去の動きに回帰。グリーン上はキャディにアドバイスをもらい、ラインを読む際にタッチへの意識を高めたという。
明秀学園日立高2年時の2019年、初めてのプロツアー出場もこの大会だった。通算8オーバー94位で予選落ちしたコースでの好スタートを「自信になる。高校生のときより飛距離が伸びて、以前ウッドだったところをアイアンで打ったり。ちょっとは成長を感じられました」と振り返った。
5回の受験でようやくプロテストに合格した苦労人でもある。2次予選に落ちた3回目2022年には「もう無理かな…」と1カ月半クラブを握ることができなかった。5回目の挑戦となった昨年、最終プロテスト直前の10月に高校の1学年後輩である佐藤心結が「スタンレーレディス」でツアー初優勝を挙げた。「心結の優勝は本当にうれしくて、すごく励みになった」と後輩の活躍も刺激となり、念願の合格を果たした。
時間がかかったからこそ、ようやく始まったプロ生活に幸せを感じる。「いままでは何カ月かに一回の大きな試合に向けて準備していたけど、毎週試合がたくさんある環境は楽しい」。残り2日間は「私は目標スコアを決めるとダメなタイプ。今日みたいに一つひとつ、一生懸命出来たら」と意気込む。待ちわびたプロの舞台を味わい尽くす。(千葉市若葉区/合田拓斗)