今季はほとんどの試合に出場できる井上希。将来有望な新人の1人だ

昨年の女子プロテストを3位で通過した井上希。12月に行われた2010年のレギュラーツアー出場資格をかけたクオリファイは27位で通過。さらにその翌週に開催された女子新人戦では2位タイの好成績を収めた。今季のレギュラーツアーで、ほとんどの試合に出場することが可能となった期待の新人だ。

高校時代は福岡県の沖学園でゴルフの技術を磨いた井上だが、全国クラスの大会での優勝経験はない。高校を卒業後はプロ入りを目指し、08年のクオリファイでツアー出場資格を獲得。09年にはレギュラーツアー3試合に挑戦し、ヨネックスレディスでは予選突破を果たした。

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この勢いでプロテスト、クオリファイ突破を狙っていた井上だが、11月に行われたセカンドクオリファイでは、アンダーパーのスコアが出せないほど調子を落としていたと言う。「私は飛距離の出るタイプではないので、パーを拾ってスコアを縮めるしかない」と、自分の長所を伸ばすように練習を重ね、アプローチとパッティングが上達。その後の好成績につなげた。

迎えた2010年は、ツアーで戦う上で現在の平均220ヤードというドライバーの飛距離では太刀打ちが出来ないと、このオフには走りこみを重視して下半身強化を行っている。「平均で240ヤードまで飛ばしたいんです」。井上を3年前から見続けてきた花ヶ崎光広コーチも「後は飛距離だけですね。ショットの精度はかなり高く、トッププロに引けをとりません」と太鼓判を押す。

「今季はシード権獲得が目標です」と話す井上だが、「出来れば優勝争いにも絡んでみたい」と小声で話した。身長160センチで体重が52キロとスレンダーな体型のため、周囲からは体力面で1年間戦えるかと心配されている。「正直、やってみなければ分かりませんが、このオフで飛距離だけでなく、体力強化も目指しています」と意気込む。

今季ツアーデビューする新人プロとしては、藤本麻子や竹村真琴などが注目を浴びているが、井上希の名前も覚えて欲しい選手の1人だ。粘りのゴルフで何試合も上位に入ってくるから。（編集部：本橋英治）

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