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コーチも最初は頭を抱えた? 阿部未悠を初優勝に導いた“ラストピース”

2024/04/08 12:19

◇国内女子◇富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 最終日(7日)◇石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇6535yd(パー72)◇晴れ(観衆4933人)

1打リードで迎えた最終18番、阿部未悠のセカンドショットはグリーン奥にこぼれた。ピン位置は左奥でも「練習ラウンドでグリーン(傾斜)が受けているなと確認していた。行ってしまうなら、(寄せやすい)奥だと思っていた。想定内ではありました」。58度のウェッジでのアプローチは少しだけランが出てしまったものの、しっかりパーパットを沈めて佐久間朱莉を1打差で振り切った。

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この日初めてリードを奪った直前17番(パー5)のバーディも、58度での3打目を1.5mに絡めたものだった。ロープの外で見守ったコーチの目澤秀憲氏は「ここで“これ”が来るのか…」と緊張感を高めたという。初優勝への勝負どころで問われたショートアイアンとアプローチの精度。まさに2月の宮崎合宿で重点的に強化してきたポイントだったからだ。

阿部が目澤氏とタッグを組んだのは昨季開幕前のオフ期間から。有村智恵の紹介だったという。球筋をフェードにチェンジする取り組みが最大のテーマだったが、すでにシードを獲得している選手だけあって、ロングゲームのレベルはすでに高かった。一緒に戦った2023年シーズン、フェアウェイキープ率3位(75.6477%)でトータルドライビング9位。トータルドライビングとパーオン率の順位を足してショット力を表すボールストライキングも19位だった。

一方で痛感したのは小技のスキルアップの必要性。阿部は「たぶん、去年目澤さんは最初に私のアプローチを見て頭を抱えたんじゃないかと思う」と笑う。練習の一環として同門の永峰咲希や目澤氏を含めてアプローチで対決しても“連戦連敗”。ボールにうまくコンタクトできず、なかなか距離感も合わせられない状態だった。“座学”で物理法則を頭に入れてから、実際に打ってみる。知識と感覚を結び付けていく作業を繰り返してきた。

目澤氏は「阿部選手はもともとドライバー、ショットがうまい。ただ、防御がポイントでした。ショットがハマって、いい時はいいんですけど、ミスをカバーできないと、なかなかスコアもまとまっていかない。ショートゲームって“病院”みたいなものなんです」と話す。初優勝、さらに上を目指すためには“ケガ”をした時に助けてくれる存在が必要だった。

タイトルを引き寄せた最終18番。グリーン奥をセーフティなエリアとして広く狙っていけたのも、オフの鍛錬があったからこそ。「いままでの私だったら、グリーンに乗せることを最優先に考えていたと思う。『段の下でもいい。奥からじゃ寄らない』と。ちょっとアプローチへの自信がついてきたことで、あそこだったら寄るはずって思えていたことが大きいかもしれません」。スコアを落とせば追いつかれる状況で、まさに安心材料になった形だ。

「もともと苦手で、プライドも何もなかったですから」と基礎からやり直したアプローチ練習。「でも…」と言って、冗談めかして続けた。「今週最初のバーディがチップインだったことは、胸を張って言いたいなと思います」。金曜日のトップスタートで、出だし5連続バーディを奪って快進撃が始まった。初日1番、そして最終日の17番と18番。最高の3日間は、オフの間にひたすら振った58度のウェッジが演出してくれた。(埼玉県鳩山町/亀山泰宏)

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