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“推しと会える世界線”で思い出した原点 阿部未悠「好きを仕事にできるなんて幸せ」

◇国内女子◇富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 最終日(7日)◇石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇6535yd(パー72)◇晴れ(観衆4933人)

幕切れの瞬間にあふれた涙を、すぐに笑顔が上書きした。初優勝をかけたしびれる戦い。それでも阿部未悠はゴルフを楽しめた3日間だと言い切る。「スコアが離されようと、楽しむことを忘れないでいられた。ずっと楽しいと思ってゴルフができたのは初めてに近い感覚だった」と充実感たっぷりにうなずいた。

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同じ最終組、並んで出た佐久間朱莉がいきなりイーグル→バーディ発進で抜け出しても慌てない。折り返して10番で4mを決めきってガッツポーズ。「コース的にも後半勝負だと思っていた。『よし、ここから』と」。狙い通りの展開に持ち込んだはずが、続く11番でティショット、セカンドを立て続けにミスした。左サイドの木に当て、3打目は出すだけ。アプローチもピンが切られた段まで寄せきれず、7mのボギーパットを残した。

大ピンチにあって腹をくくれた。「ダボになっても仕方ない。ショートだけはしない」。しっかり打ち切ってカップにねじ込むナイスボギー。すぐに笑った意味を「『まだ早いよ』って言われた気がした。ある意味切り替えられて、いいボギーだったなって」と明かす。

12番(パー5)でバウンスバックを決めても、4連続バーディの4個目となった17番(パー5)で単独首位に立っても派手なアクションは起こさなかったのは、その瞬間を楽しむことだけを心掛けた結果だ。奥からの寄せが止まらず微妙な距離となったウィニングパットも「最後まで楽しんでやれたら、いい結果がついてくるんじゃないか、と。心を決めて打てました」

繰り返したゴルフを楽しむ気持ち。もともと持っていたはずで、苦しんだ昨季終盤は忘れていたものでもあった。きっかけはオフ期間。知人の紹介でプロ野球ソフトバンクホークスの甲斐拓也捕手の自主トレに参加する機会に恵まれた。中学、高校時代を福岡で過ごし、大ファンだったプレーヤー。「“推しと会える世界線”ってあるんだって。今どきの言葉ですみません(笑)」。感激と同時に、甲斐選手が繰り返す「楽しむ」という言葉、実際にきついトレーニングすら笑顔でチャレンジする姿が胸に刺さった。

「楽しむ気持ちを忘れていた気がして、ハッとさせられた。ゴルフが好きで続けてきて、その“好き”を仕事にできるなんて、ほとんどない。それをできているだけでも幸せなんだ」。原点を思い出して臨んだシーズンだからこそ、開幕から5試合で予選落ち2回、ベストフィニッシュが23位と調子が上がらなくても下を向かなかった。サンデーバックナインで一度は追い込まれても諦めなかった。「『そろそろだよね』とか『優勝できるよ』とか、たくさん言っていただいたし、自分でもずっと思っていた。やっとここに来られたなって」。ゴルフを始めたころのように純粋な気持ちで戦い続けた先に、あこがれ続けた景色があった。(埼玉県鳩山町/亀山泰宏)

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