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初の大会連覇に挑む穴井詩、能登地震への思い秘める川岸史果が最終日最終組

◇国内女子◇ヤマハレディースオープン葛城 3日目(30日)◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡)◇6564yd(パー72)◇晴れ(観衆3568人)

昨年大会覇者の穴井詩が、最終ラウンドを前に首位の竹田麗央と2打差2位につけた。ツアー5勝の実力者も大会連覇の経験はない。昨年は最終日に3打差を追いつき、ささきしょうことのプレーオフを制した。「チャンス、来ましたね」とニンマリした。

葛城GCはツアー有数の難コース。しかも、この日は最大瞬間14.2m/sの強風が吹き荒れ、スコアを伸ばしたのは119人中23人だけ。穴井は6バーディ、3ボギーの「69」で5人だけの60台で回った。最終18番(パー5)でピン1.5mにつけてのバーディ締め。「このコースは自分の持っているスキルを全部出さないとスコアにならない。いま自分のできること、できないことが分かりやすい」とうれしそうだ。

昨季は自身初の年間2勝をマークした。今季は「去年の自分の成績よりは上に行きたい。あとはキャリアベストを」という。上を見続ける36歳は「追いかける展開の方が気持ち的にはいい。ワクワクです。精一杯頑張りたいです」と逆転優勝に意欲満々だ。

穴井と並ぶ2位で最終日最終組に入った川岸史果も、優勝へ並々ならぬ思いがある。自分の出身は神奈川県横浜市だが、父親で男子プロの川岸良兼の実家は、石川県小松市にある。元旦に大地震に見舞われた能登半島は近い。2月には、父が発起人になった復興支援のチャリティプロアマに参加した。

「元旦で流れたテレビの映像はショッキングでしたし、少しでも私が活躍して現地に元気を届けられれば、と。テレビや映像に流れたら現地の人も『活躍してるのか』と感じてくださると思う」。この日は5バーディ、1ボギーの「68」でスコアを伸ばした。

今季は開幕から4試合で予選落ち2回で、最高位は「明治安田レディス」の21位タイ。「とても優勝争いができるようなセカンドショットではなかったけど、少しずつアイアンが修正できてきて。あしたは楽しみです」と今季初の優勝争いに心を躍らせた。(静岡県袋井市/石井操)

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