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女子ツアーの平均ストローク 33年前との差は「3ストローク以上」って?

今季の国内女子ツアーで2年連続年間女王となった山下美夢有が、ツアー新記録の平均ストローク「69.4322」をマークした。ツアー史上初めて2年連続で70を切り、従来の「69.9399」(2019年、申ジエ/韓国)を更新した。

ゴルファーの総合力を示す平均ストロークが公式記録になったのは33年前の1990年からで、初代1位は高村博美の「72.6701」。イーブンパーが72だとすると、オーバーパーでいわゆる「青字」だった。今季の山下との差は「3.2379」。3ストローク以上もの差は、どのように生まれていったのか考察する。

1:用具の進化

1つは用具の違い。1990年当時、ドライバーなどウッドのヘッド素材は「メタル」が主流で、中には「パーシモン」(柿の木)のフェアウェイウッドを使う選手も残っていた。現在のように軽量な「チタン」や「カーボン」素材でないため、ヘッドは小さく、反発力も劣っていた。

ボールも「4ピース」などではない「糸巻きバラタ」。当時は現在よりもコースのヤーデージ設定が短かったとはいえ、クラブやボールが生み出す飛距離、方向性は段違いだ。

2:技術と体力の向上

もう1つは技術、体力の向上。中卒や高卒で研修生となり、10代後半や20歳を過ぎてゴルフを始めた選手が多かった昔と違い、現在は幼少時からゴルフを始めたジュニア育ちが圧倒的。さらにレッスンも徒弟制度的なものだけでなく、ティーチング理論が増えて、スキルアップの選択肢が増えた。フィジカル面でもトレーニングが科学的になり、タイガー・ウッズの登場で「アスリートゴルファー」という言葉が生まれた。

今季ランク72位の藤本麻子が「72.6762」だったため、実に71選手が90年の高村の数値を上回った。オーバーパーはランク51位の内田ことこ「72.0113」からで、上位50人がアンダーパー。これは昨季の43人から7人増えた。

なお、昨季1位だった山下のストローク数は「69.9714」。時代は「1位なら60台、シード選手ならアンダーパー」に突入しつつある。

<国内女子ツアー・平均ストロークの変遷>

・1990年/パーオン率、パーセーブ率、平均パット数(1ラウンドあたり)を合わせた4部門で公式記録になる。初代1位は高村博美で「72.6701」。パーオン率は樋口久子の「69.4700%」(今季1位は岩井明愛の75.3363%)、パーセーブ率は樋口の「83.1000%」(今季1位は山下の90.0585%)、平均パット数は吉川なよ子の「29.1176」(今季1位は青木瀬令奈の28.1985)
・1997年/福嶋晃子が「71.9580」で史上初のアンダーパー
・1999年/具玉姫(韓国)が「71.9146」。この年以降、1位はアンダーパーで定着
・2003年/不動裕理が「70.2727」。初めて71を切る

・2008年/李知姫(韓国)の「70.8824」を筆頭にアンダーパーが10人に
・2013年/アン・ソンジュ(韓国)の「70.3519」筆頭にアンダーパー28人に急増
・2018年/鈴木愛の「70.1052」筆頭にアンダーパー36人
・2019年/申ジエが「69.9399」で史上初の60台。アンダーパーは32人

・2022年/山下美夢有が「69.9714」で史上2人目の60台。アンダーパーは43人
・2023年/山下美夢有が初の2年連続60台となる「69.4322」で新記録樹立。アンダーパーは50人

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