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夢をかなえた21人 ティーチングの二刀流に22歳1児のママも…

◇国内女子◇最終プロテスト 最終日(3日)◇JFE瀬戸内海GC (岡山)◇6419yd(パー72)

4日間におよぶ最終プロテストが終わり、今年は21人の合格者が誕生した。トップ通過した18歳の清本美波(愛知・誉高)や初挑戦で2位フィニッシュした馬場咲希(東京・代々木高)と高校生による合格者は5人だった。一発合格のメンバーが目立つ一方で、馬場と同じく2位につけた石田可南子は今回で10回目のプロテスト受験とあって悲願の合格だった。

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1994年5月生まれの29歳は、一度のエントリーミスはあるも「19になる歳からプロテストには受験してきた」という。振り返れば、今回と同じJFE瀬戸内海GCで行われた4年前のプロテストでは1打足りずに落ち、その回で合格をした山下美夢有は昨季の年間女王になった。

「こんなに世界が違うんだ」とやり場のない気持ちで心が折れかけたことはある。昨年の最終プロテストで落ちたときは「年齢的に、もう受からないんじゃないかってすごく思った」と語る。

それでも一念発起して「去年からティーチングのライセンス取得も目指していて。できればツアープロとティーチング、2つの資格を持つ選手になりたい」と夢をかなえるために今年も受験した。ティーチングの勉強は忘れかけていた基本を思い出させ、ゴルフの知識も深まった。

来季の出場権がかかる予選会(QT)次第ではあるが、「このままやりきりたい」と二刀流を目指していくつもりだ。「コロナをきっかけにゴルフをやめてしまった同い年の子たちがいて。あきらめずにやっているよというのを見せられる立場になれれば」と力強く野望を口にする。

また、なかには22歳にして1児のママゴルファーもいる。今年でプロテストには5度目の挑戦という神谷和奏(かみや・わかな)は、当時19歳の2021年9月に長女になる咲凛(えみり)ちゃんを出産した。ただ、3歳から始めたゴルフの道はあきらめずに周囲のサポートを受けながら子育てと競技を両立させてきた。

初めてのファイナルステージでの最終日、会場の近くに愛娘がいるのも励みになったと話す。「娘が待っていてくれているんだ」。緊張したらコースメモの余白に抱える心情をすべて書き出し、「『自分は焦っている』『みんなも緊張している』『3日目までは緊張していなかったけど、きょうは緊張している』とか。気持ちを吐き出して切り替えました」。カットライン上の5アンダー19位で合格を果たし、涙で目と鼻を赤く染めた。

「家族を持ちながらゴルフをすることで、誰かに勇気を与えられるような選手になりたい」。子育てを最優先にすることを前置きした上で、ママゴルファーはそんな将来像を掲げる。「いろんな人に支えてもらった。結果で恩返しがしたい。ツアー優勝した姿を娘に見せることが目標です」と我が子をしっかりと抱き寄せた。

ほかにも一時は椎間板ヘルニアで日常生活も困難だったという状態から返り咲いた木村怜衣(きむら・れい)や男子プロゴルファー小西健太の妹の小西瑞穂西村優菜を憧れとする身長150センチの村田歩香(むらた・あゆか/ルネサンス大阪高)と多岐多様なバックグラウンドが広がる。1年に1度のチャンスをものにした21人に注目だ。(岡山県笠岡市/石井操)

<2023年度 プロテスト合格者一覧>
1/-17/清本美波(誉高)
2T/-12/馬場咲希(代々木高)、石田可南子
4/-11/高木優奈
5T/-10/上久保実咲(奈良育英高)、村田歩香(ルネサンス大阪高)、菅楓華(日章学園高)
8T/-9/河村来未宋佳銀浅田実那
11/-8/吉澤柚月(日本ウェルネススポーツ大)
12T/-7/高野愛姫(日大)、小西瑞穂本明夏
15T/-6/稲垣那奈子木村怜衣與語優奈政田夢乃
19T/-5/中野恵里花ベイブ・リュウ神谷和奏

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