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“下剋上初優勝”から4カ月 「安全」脱出で2勝目狙う山内日菜子

◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 2日目(21日)◇ザ・クイーンズヒルGC(福岡)◇6540yd(パー72)◇晴れ(観衆1701人)

山内日菜子は、出だしの10番(パー5)から3打目をウェッジでピン30cmにつけ、11番では4mの“入れたい距離”を決めた。15番ではティショットをドライバーでフェアウェイをとらえ、ピン1mにつけた。アグレッシブな5バーディ、1ボギーの「68」で通算7アンダー。残り2日で首位に5打差と、優勝をうかがえるポジションにつけた。

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「調子は良くなって来ています。ショットの安定感が戻って来ました」。初日に池ポチャしてダブルボギーを喫した最長パー4の18番で、この日は3パットのボギー。リベンジに失敗したが「まあ、でも、きのうより1つ良くなってますから」と前向きだ。

3月下旬のシーズン第4戦「アクサレディス」でツアー初優勝を飾った。プロ8年目、当時26歳の中堅プロはシード経験もない上、前年のQTに失敗。下部ツアー出場も絶望的な「QTランク181位」という立場から、故郷宮崎開催ゆえの主催者推薦出場でツアー史上最大の“下剋上V”を成し遂げた。

その後がいろいろ大変だった。「元々全く予定がなかったのに、ツアーに全部出られるようになって」。翌週の「ヤマハレディース」で9位になったものの、トップ10はその1回だけ。優勝大会から、自己最長の9週連続予選通過を達成した。それはもちろん“成果”だが、ふと思うことがあった。「予選通過が目標になってしまっていた。振り返ると“もっとガツガツ行けば…”とか、“ビリか1番って考え方の方が楽しいんじゃないか”と思ったりしました」

6月中旬の「ニチレイレディス」、2日目の前半18番(パー5)。ピンまで230ydのフェアウェイから刻んで70ydを残し、3打目を5mにつけたが、外してパー。セカンド地点から見た時にグリーン手前左右にある2個のバンカーが気になり、2オン狙いを止めた。「刻んだことはいいんです。でも、どこか自分に消極的に言い聞かせている自分がいたようで…」。グリーンに近づくと、花道は思った以上に幅があった。そこを狙う選択肢をまず排除していた自分が嫌だった。

「私は元々、飛ぶ方じゃないし、安全に行く方。でも、3日、4日通してそういう(安全な)ゴルフをしていたら勝てないですよね」

密かな野望は今季のツアー最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」を制しての“宮崎開催大会で年間2勝”だ。前週のオープンウィークは宮崎に戻り、連戦で減っていたトレーニングを3日間こなした。「やっと筋肉痛が取れて、いい張りがある感じです」。そう言って笑った後、「最終日にビッグスコアを出したいですね」。ひとつ上のステージを目指していく。(福岡県糸島市/加藤裕一)

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