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記憶障害にも悩まされ… 下川めぐみの逆境すぎる1年

◇国内女子◇ニッポンハムレディスクラシック 2日目(8日)◇桂ゴルフ倶楽部(北海道)◇ 6763yd(パー72)

「脱出したい!」と心の叫びがこぼれた。下川めぐみは通算15オーバーの下位で2日目を終え、本大会後に実施される第1回リランキング突破は絶望的となった。この1年を振り返ると、大きなため息が漏れた。

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昨年7月に新型コロナウイルスに感染し、徐々に体力が戻ったところで年末のQTをトップ通過。今季前半戦の出場権を獲得したが、コロナの後遺症は想像以上に重かった。

「(コロナに)かかった後、以前の記憶が一切無くて。誰と会ったか、どこで何をしたかをまったく覚えていなかった」。友人の顔や名前も思い出せず、以前回ったゴルフコースも覚えていない。徐々に記憶は戻ってきたが、1年経った現在も道に迷ったり、数分前に話したことがあいまいだったりと、記憶障害と戦っている。

その影響か集中力も落ちた。オフから始めたスイング改造もなかなか実らず、「ドライバーを曲げないようにと色々やっていたら、よく分からなくなってしまった。だましだましやっていたけど、続かないですよね」。QTトップ通過でついた自信は、シーズン開幕前にはすっかり失った。

スイングで試行錯誤を重ねるうちに、ひじを痛めてトレーニングも満足にできなくなった。今季は17試合を戦ったが12試合で予選落ちし、現在のリランキングは59位。今後、推薦出場の予定はなく、試合には大会の予選会を突破するしかない。

「がんばったんだけど、何をやってもダメでした」。振り返れば逆境だらけの1年だったが、「幸い、“根性”と“努力”は好きなので」と気持ちを切り替えて明るく笑う。39歳の熱意は、まだ折れていない。(北海道苫小牧市/谷口愛純)

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