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法大卒の鈴木千晴 初挑戦の最終プロテストで得た「教訓」

新型コロナウイルスのため延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度最終プロテストは6月に終了、通算4アンダー20位タイまでの22人が合格した。確率「約3.9%」の狭き門だったが、壁に阻まれた選手の大半は、8月から始まる21年度テストに向けて動き出した。彼女たちは何を思い、チャレンジを続けるのか。その素顔に迫る。

■2次はトップ通過、最終も好発進だったのに…勝手に「焦り」

23歳の鈴木千晴は、初挑戦だった2020年度プロテストを最終の76位タイで終えた。通算8オーバー。合格ラインの4アンダーには12打差だったが、第1日は「71」の1アンダーで24位タイと、好発進だった。合格圏の2アンダー、16位タイ(23人)とは1打差。トップアマ姉妹の妹、岩井千怜(ちひろ=9位で合格)とも並んでいた。しかし、鈴木は前向きにはなれなかったという。

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「テスト前、合格ラインはイーブンから2アンダーと想定していたのですが、初日から好スコアで回る人が多くて、1位の人は6アンダーでした。なので、勝手に『このペースだと、8アンダーが合格ラインになる』と決めてつけてしまって、かなり焦ってしまいました」

焦りはマイナスに働いた。「プレーに自信が持てず、クラブ選択、ラインの読みに迷いが生じました。グリーン周りのアプローチにもイメージが持てなくなりました」。結果、第2日は「75」で通算2オーバーの60位タイに後退。第3日はイーブンで回って46位タイに浮上するも、合格圏の4アンダー17位タイ(21人)とは6打差が開いていた。そして、一発逆転でビッグスコアを狙った最終日は「78」で終えた。

「最終日は最低でも『66』と思っていたので、リスクのあるショットを重ねていたので悔いはありません。ただ、いろんな意味で経験不足でした。実際の合格ラインの4アンダーが想定できていたら、あんなに焦ることはなかったのですが…」

一発合格を狙えるだけの実力はあった。群馬会場(富岡C)での1次は30位通過も、滋賀会場(滋賀CC)での2次は、通算4アンダーで1位通過を果たした。「『絶対に合格できる』とまでは思ってはいませんでしたが、『合格できるように頑張りたい』とは思っていました。大学を卒業してからの受験ということもあるので」

■自分の意志で選んだ大学進学「過去の自分を否定したくない」

13歳でゴルフを始めた。遅いスタートだったが、中学、高校は部活に入らず、個人で練習を重ね、「全国高校選手権」15位、「日刊アマ全日本女子」2位など実績を上げた。しかし、高卒後のプロ転向は選ばず、法政大に進んだ。「大学で世界観を広げ、学力もつけたかったのが理由のひとつです。それと、周りより遅くゴルフを始めたこともあって、高卒ですぐにプロで活躍できる力はないと思っていました」

大学では1年からレギュラーになった。プロを目指す部員ばかりではなく、ゴルフをしていない友人が就職活動をする姿も見てきた。それでも、自身の志は変わらなかった。「プロになりたいと思いながら、大学進学を選んだ過去の自分を否定したくなかったんです。部活を4年間しっかりやることが入学条件のスポーツ推薦なので、辞めてQT(ツアー予選会)を受けることは考えてもいませんでした。ただ、2年生の時に、『QT受験にはJLPGA会員の資格が基本的に必要』と規定が変わったことは、ものすごくショックでした」

さらにショックだったのは、4年時の20年度がコロナ禍で、大学の公式戦が開催されなかった上、「20年度プロテスト」が延期されたことだった。「一時はゴルフ場もジムもクローズになっていました。通っている練習場だけは時短で営業していたので、ひたすら練習をして、近所を走ったり、自宅トレをしていました。ただ、自分の先が見えなくなって、辛い日々でした」

そして、今年になって開催された20年度テストは不合格。それでも、手応えは得ていた。「最終テストで得た教訓は大きいですし、『次はいける』という思いはあります」。言葉通り、172㎝の長身から放つドライバーショットは平均260ydで、高弾道のアイアンショットも打てる。「課題は100ヤード以内の精度を高めること」だが、ボールを止めることには「自信がある」と話す。

“2度目の正直”を目指し、最近になって「DSPE」(ツアープロを目指す女子ゴルファーを支援する団体)にも加入した。月例競技会で同じ目標を持った選手が集うことに魅力を感じており、「とてもありがたく思っています。テストをイメージしながら8月の月例に臨みます」と前を向いた。

鈴木にとっての21年度プロテストは2次(1次は免除)からで、滋賀会場(滋賀CC)にエントリーする予定。20年度の2次で1位通過を果たした得意コースで、京都会場(城陽CC)での最終プロテスト進出を狙う。

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