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23歳の乗富結がプロテスト合格を目指しながらティーチングプロ資格講習を受ける理由

新型コロナウイルスのため延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度最終プロテストは6月末に終了、通算4アンダー20位タイまでの22人が合格した。確率「約3.9%」の狭き門だったが、壁に阻まれた選手の大半は、すぐに始まる21年度テストに向けて動き出した。彼女たちは何を思い、チャレンジを続けるのか。その素顔に迫る。

■10歳から感覚でプレー…「ちゃんと、ゴルフを勉強したかった」

23歳の乗富結(のりとみ・ゆい)は、20年度プロテストの2次を通過できなかった。茨城会場(ザ・ロイヤルGC)で受験し、カットラインに3打届かなかった。「初日に79をたたいたことが大きかったです。緊張でパットが打てず、普段通りのゴルフができませんでした。もったいなかったです」

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計5回のプロテスト受験で最終に3回進出。2次での不通過は、高卒1年目で初挑戦した16年度テスト以来だった。ただ、同年は最終QT(ツアー予選会)で69位。2017年シーズンは単年登録選手として、ツアー7試合、ステップアップツアー14試合に出場している。「すごく楽しくて充実した一年でした。なので、早くあの場に戻りたいと思っています」

ドライバーショットは平均飛距離240yd、切れ味のあるアイアンショット、球筋はフェードで安定している。その実力はゴルフ番組でも発揮。今年は、ツアープロも参戦した「ゴルフサバイバル 4月の陣」(BS日テレ)で優勝した。周囲の評価も「2次で落ちるような選手ではないし、合格に近い選手の一人」で一致している。その一方で、本人は「ティーチング」の道も同時に歩み始めていた。

「実は昨夏、JLPGAティーチングプロの資格を取るためにテストを受けて、実技審査も通過しました。将来、ツアープロになっても、アマチュアの人を教える機会が多くなると思ったからです。ずっと感覚でプレーしてきたので、ちゃんと理論も含めて勉強をしたかったこともあります。ただ、A級の資格を取るには3年が必要で、2年目の今年はB級講習会を受けて、レポートを提出しています。先日は教本に示してあるグリップ、構え、振り幅でスイングするテストを受けました。来年はA級講習会を受けます」

A級講習会後には、あらためての実技審査(通過基準36ホール「166」以内)、面接、小論文提出のJLPGA入会審査が待っている。その上で、研修を受ける必要がある。乗富の場合、順調にいっても、正式にJLPGA会員になれるのは23年1月。そして、そこにたどり着くまでには、総合計204万2000円(JLPGA公式サイト掲載の諸経費目安)の費用もかかる。

■「2年後にQTを受けられるようにするためだけではありません」

なぜ、乗富ほどの実力者が、そこまで時間と費用をかけるのか…。理由のひとつは、「JLPGA会員」という位置付けの大きさがある。一般的に、女子ゴルファーがアマチュア資格を放棄すれば、JLPGAの非公認競技大会などで賞金を手にできる。しかし、多くの選手が「JLPGA会員になってこそ、真のプロゴルファー」という考えでいる。その意識が高まったのは、19年度プロテストを前に、QT受験資格の条件が、「JLPGA会員の資格が基本的に必要」と変更されたことが大きい。裏を返せば、ティーチングプロとしてJLPGAに入会しても、同会員であれば、QTを受験できるのだ。

乗富自身もこの規定を把握しているが、「2年後にQTを受けられるようにするためだけに、ティーチングプロの資格を取りにいっているわけではありません」。その上で「同級生で仲のいい永井花奈ちゃんとも、またツアーで一緒に戦いたいですし、8月から始まる21年度のテストで絶対に合格する気で練習しています」と言葉に力を込めた。

今後も「DSPE」(ツアープロを目指す女子ゴルファーを支援する団体)の月例競技会、ミニツアー大会出場を重ね、ティーチングの講習も受け続けるが、最も大事なのは21年度プロテスト。乗富にとって、17年度以来4年ぶりとなる1次予選は、福島会場(五浦庭園CC)で出場する予定だ。

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