ツアーで最も上手い男に聞くパッティングのコツ 実にシンプルな練習&思考法
◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 初日(8日)◇横浜CC(神奈川)◇7315yd(パー71)
ジェイコブ・ブリッジマンが無傷の8バーディ「63」で首位発進を決めた。今季ツアー2勝の26歳だが、その名を知らない方はまだ多いかもしれない。
2023年に下部コーンフェリーツアーから這い上がってきたブリッジマンは、PGAツアー参戦以降も安定した成績を収め、ことし2月のシグニチャーイベント「ザ・ジェネシス招待」でツアー初優勝を飾った。
9月「ビルトモア選手権アッシュビル」で2勝目を挙げ、2週前「ザ・プレジデンツカップ」では米国選抜の勝利に貢献。現在世界ランキングは20位と、一気にトップ選手の仲間入りを果たした。
ラウンド後にはこの日のプレーを淡々と振り返った。「プレジデンツカップのあと、先週は妹の結婚式に出るなどしていて、試合に向けた練習はほとんどできなかった。それでもスコアをまとめられたのは、アイアンでグリーンの良い位置にボールを運び続け、バーディを狙いやすかったから。ミスがあってもリカバリーできた」。後半5番からは4連続バーディと爆発的なプレーを見せた。
ブリッジマンの強みはなにか。アイアンのスタッツも高いが、それ以上に突出するのがパッティングの数値だ。あのアダム・スコット(オーストラリア)が「いま一番パッティングで上手い選手」として名前を挙げるほど、同業者からの評価も高い。ストロークゲインド・パッティング(パッティングのスコア貢献度)はツアー1位につける。まさにPGAツアーで最もパットが上手い男が、首位に立っているわけだ。
試合後、ブリッジマンにパッティングのコツを直撃した。ラウンド前の練習グリーンでは、2本のティを「ゲート」として地面に刺し、ボールがギリギリ通り抜けられる幅で練習していたが…。
「4フィート(約1.2m)のストレートパットを8~10球繰り返すドリルをいつもやります。スタートライン(出球)への自信をつけるためです。それだけやったら、あとは普通のパット練習に移ります」。道具を使った練習はそれだけという。
「器具やドリルに頼りすぎないことが大事です。練習グリーンで同じ短いパットを延々と繰り返すよりも、コースと同じ状況をイメージしながら、1球ごとにルーティンを丁寧に行うほうがいいんです」と話した。
グリーンリーディングの上達法についてもたずねた。ツアー屈指のパット巧者から目新しいヒントが聞けるかと思ったが、返ってきた答えは拍子抜けするほどシンプルだった。「自分のボールと他の選手のボールが転がるのを、とにかくよく見ること。それだけで十分だと思っています」
出球を整え、状況をイメージし、一球ごとに集中する。特別な練習法を求めがちなアマチュアほど、耳の痛い話かもしれない。ツアーナンバーワンの練習は、驚くほど“普通”だった。
実は、ブリッジマンにとって日本は思い入れのある場所だ。高校卒業直後、国際ジュニア大会「トヨタジュニアワールドカップ」で名古屋を訪れた経験があり、「ずっと妻に『また来たい』と言い続けていました」と笑う。大会後も数日間日本に滞在し、京都や東京を観光する予定だという。首位発進という最高のスタートを切り、日本での思い出はさらに特別なものになりそうだ。(横浜市保土ヶ谷区/服部謙二郎)