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日本の枠に収まらない 19歳・笹生優花のプロ初勝利

◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 最終日(16日)◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6710yd(パー72)

憧れのロリー・マキロイ(北アイルランド)を彷彿とさせるキレのあるスイングで、笹生優花が悠々とプロ初勝利をあげた。大会最終日は1イーグル7バーディの9アンダー「63」。飛距離、アイアンの切れ味、ショートゲームのどれをとっても一級品。未来の大活躍を予感させる初Vは、静寂の軽井沢に訪れた。

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フィリピン生まれだが、5歳から8歳までを日本で過ごした。シングルハンデの父・正和さんが行く練習場についていったのがゴルフに触れるきっかけだった。小1のとき、宮里藍ポーラ・クリーマーの活躍を見て、プロの存在を知ったという。本気でプロを目指したいという夢を実現するため、小3からは手頃な練習環境が揃うフィリピンに移り住んだ。

現在は日本とフィリピンの国籍を持っている。来年に延期されたオリンピック出場を目指し、世界ランキング(オリンピックランキング)はフィリピンとして登録しているが、国内ツアーは「日本人として出たかった」と日本人会員として申請した。今後、1つの国籍選択を迫られる22歳の誕生日までに日本国籍を選択するつもりだという。

「オーガスタ女子アマ(2019年アメリカ/3位)」、「アジア大会(18年インドネシア/個人・団体金メダル)」、「ユースオリンピック(18年/2位)」など海外試合で多くの経験を積み、すでに世界16カ国以上でプレーした。日本語、英語、タガログ語の3つの言葉に加え、少しの韓国語とタイ語も話す。「夢は最初からアメリカで戦って、世界一になることだった」と大志に向けて第一歩を踏み出した。

「まだ優勝したという感じは自分に入ってきていないです。もう少し時間が経ってから、たぶん気持ちが出てくると思うけど、いまはまだ…」と笑った笹生。この先、いったいいくつの勝利を重ねるかはわからないが、無観客の中でさらりと成し遂げられたプロ初勝利。我々がその意味を認識するのにも、もう少し時間が掛かりそうだ。(長野県軽井沢町/今岡涼太)

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