サンタさん、薬ください 渋野日向子のクリスマス
新たな舞台を求めて ツアー第一線を退いた飯島茜のいま
「ツアーに行かない生活はひさしぶりだったけど、あっという間の充実した1年だった」。ツアー通算7勝の飯島茜は、主催者推薦による4試合の出場で終えた2019年をそう振り返った。
都内で22日に行われたウエア契約を結ぶジュン&ロペのイベントに参加。「年齢的に厳しくないですか?」と36歳はサンタクロースに扮した格好を気にかけた。2006年の初優勝から15年までに7勝を積み上げ、かつては実力者としてツアーをにぎわせた。しかし、12年連続で保持していた賞金シードを喪失し、涙を流したのが2年前。18年は32試合に出場したがシード復帰(賞金ランク50位以内)はならず、今年は05年のプロ入りから最少の試合数にとどまった。
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翌年のツアー出場権を決める予選会(QT)にも2年続けて足が遠のいている。「ことしもQTは受けませんでした。まだ試合にモチベーションを持っていける状態ではないので」。先輩プロからは「あと何年かしたら、また(ツアーで)やりたくなるよ」と、言われているそうだが、まだその気持ちまでに至っていない。
ことしは飯島より一足先にツアーを離れた馬場ゆかりの紹介を受けて、主に千葉県内のゴルフ場でアマチュア向けのレッスンを行っていたという。「これまでは自分がメインだったけれど、その経験を生かして、勉強もしながら」。多い時期には月8回ほどのレッスンをこなし、合間にはプロアマイベントにも参加。「いろいろな人との出会いもあった」と、ツアー転戦時には得られなかった貴重な経験を積めたという。
まだツアーへの意欲は乏しい一方で、もっといろいろな角度からゴルフに携わりたい思いを強めている。「(ツアー中継の)解説とかもしてみたいし、他にもやりたいことはある。YouTube? やってみたいですね。でも私は機械に弱いから…」とイメージは膨らむばかりだ。
来年のツアーは「推薦をいただければ考えたい」とこれまでと同じスタンスを取りながら、レッスンを継続していく予定。さらに活躍の場を広げるために「もっと自分の中で“コレ”というものを確立していきたい」と、自らの個性をアピールしていきたい考えを明かした。(編集部・塚田達也)