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人工股関節で芹澤信雄が復活 ニクラスやワトソンも経験

◇国内男子◇中日クラウンズ 2日目(3日)◇名古屋ゴルフクラブ 和合コース(愛知)◇6557yd(パー70)

芹澤信雄は、最終18番でハウスキャディに「打たなきゃダメよ」と言われた5mのパーパットをショートさせて照れ笑った。

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それでも初日「70」、2日目「74」の通算4オーバー54位。「もうこんなことはないかなと思ったけど超うれしいです。こうやってドキドキしながらゴルフできるのがすごく嬉しい」と、2012年「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来となる7シーズンぶりの予選突破に表情を明るくした。

今年11月に60歳と節目の年を迎える芹澤は、昨年8月22日にチタン製の人工股関節を埋める手術に踏み切った。数年前に変形股関節症と診断され、「バンカーで踏ん張ったりすると、電気が走った」という症状を改善するのが目的だった。

「いまはたいした怪我じゃないらしいです。ジャック・ニクラスも、トム・ワトソンもしているって聞いたし、絶対にパフォーマンスが上がるからやった方がいいって言われて、そこまで言うならやろうかな」と決断した。

全身麻酔による3時間の手術と、10日間の入院を経て、3カ月後から軽いアプローチ練習を始めた。シニアツアーに行けば「チタンが入っているから飛ぶんだな」といじられるが、上半身の回転スピードも上昇し、ヘッドスピードも2m/秒は上がった。

40歳で近視を治すレーシック手術を受け、50歳を前にして肩に人工腱を埋める手術もした。そして、60歳を目前にした再手術。ラウンド後はまだ患部の腫れをほぐすケアが必要だが、プレーができる喜びには代えがたい。

「(予選)通れたら嬉しいけど、あと2日この和合でプレーするのは、ボロボロになりそうでツライですよ」。ぼやく言葉とは対照的に、その表情はキラキラと輝いていた。(愛知県東郷町/今岡涼太)

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